高能率のスピーカー
ハイパワーアンプは必要ないと個人的に思う、エール、YL、ゴトー、特に高能率のオールホーンのスピーカーにハイパワーアンプを使ってらっしゃる方をお見受けする、何故なんだろうか。
元々ハイパワーアンプとはコンデンサースピーカーのようなインピーダンスと能率の低いスピーカーを駆動する為に開発されたものだと思います。
能率の高いオールホーンのスピーカーシステムならば本来10Wもあれば地響きする程の音になります、それがオールホーンスピーカーシステムの魅力です。
こう思われているのでは、ハイパワーアンプはハイパワーを鳴らすため優れた部品をつかっているのではと、これはナンセンスですパワーをようするため部品の容量が大きくなり部品のコストが上がるだけで、寧ろ余計なパワーを要するが為に余計な音がつきそれが堂々とした音に聴こえるのかも知れませんが、出力は小さくても無帰還のような質の高いアンプで鳴らす事により素直な目指す方向のクリアーな音になると思います。
ウエスタンスピリッツのスピーカーシステムは能率が101dbです、もし1wを入れると渋谷の駅前の雑踏位の音量になります、とんでもない音量です、間違いなく近隣から苦情が来ます、家庭の音楽鑑賞において1Wはまず必要ないでしょう。
ウエスタンスピリッツはオールマルチオールホーンスピーカーシステムなので、ウーハーだけ50wで、ドライバーとツィーターは30wです、しかも出力は違うものの総てイシノラボの同じ作りで同じクラス、しかも電源トランスは総てEI型で揃えております、それでもとてもではないですがボリューム半分位でじゅうぶん爆音を轟かせます、0.5Wも出ていないと思えます、因みにボリュームを半分とは出力が半分になるわけではありません。
イシノラボのアンプはゲインが低いのですが、それでもこのパワーでじゅうぶんです、パワーが大きいと余裕でもあると考えているのでしょうか?そんな事はありません。
間違えてボリュームをあげたままプリのファンクションスイッチを回すと高価なユニットは飛びます、お断りしておきますが、メンテに出しても元の音にはなりません、ただでさえまともに鳴らす事すら大変なオールホーンスピーカーシステムは気をつけたいものです。
そしてもしウーハーを低音にお使いならばボックスはバスレフにしなければなりません、容量は大きくても密閉型のボックスではくぐもったような音しか再生出来ず、伸びやかな低音にはならず、その低音は総ての帯域に迄影響し、帯域バランスが崩壊します、オールホーンスピーカーシステムは理論が家庭用のブックシェルフのタイプとはかなり違うのです。
低音迄ドライバー&ホーンにしても巨大になり、とても距離を要するため難しいですが、そこまで組まれたのなら最後までオールホーンスピーカーシステムを貫いていくのがオーディオではないでしょうか?揃っていないと他のユニットと同期しないからです。
私がJBL4560BKで終わりにしたのはこのような理由からです、そしてJBLこそが真実を鳴らすセンスに長けている、そう思うからです。
そして日本のスピーカーシステムにはどうにもスペックばかりが先にたち音楽的センスを感じないからです、オールホーンスピーカーシステムに大きなパワーアンプは必要ないと思います。
ご存じJBL4560BKを軸としたオールホーンスピーカーシステムはPAのくくりです、オールホーンスピーカーシステムは音を定位させるのがとても難しいのです。
そしてカタログに明記されてる最低再生周波数が60Hzですが幾多の方が挑戦し諦めた周波数です、実は60Hzとはかなり低い周波数ですウエスタンスピリッツ以外で鳴ってるシステムを聴いた事がありません。
みなさん録音のトリックに引っかかりせいぜい100位の周波数迄しか再生出来ていません、それを低音と勘違いされてる方が殆どです、ウエスタンスピリッツはその60Hzを再生するべく努力したのです。
左右の設置の問題、そしてスピーカーからの試聴距離、そこに二本のスピーカーが消えたようなセッテング方法、それらが出来た時ジャズしか鳴らなかったJBLからクラシックも鳴るようになったのです、しかし個人的にはまだまだ納得出来ていません。
違和感はなかなか文章や言葉になりませんが解放感と定位する画像のようなものの空気感やカラーとでもお伝えしたら良いのでしょうか。
まともな思考回路ではオールホーンオールマルチスピーカーシステムは鳴らせません、方法は様々あり簡単には語れませんが、かなりの努力が必要になるのです。
オールホーンスピーカーシステムにハイパワーアンプは必要ありません。