音は一瞬で分かる
私の試聴の基準は鳴った瞬間の音です、試聴は自分のシステムが鳴らす音との比較だ、そう言われます、確かにそうですが私は違います、総ての帯域まではソフトによっては分からないまでも、鳴った瞬間音がスピーカーからはがれて開放的に穏やかに鳴るかどうかを聴いています。
低音や高音が柔らかく伸びているかどうかは分かるまでにもう少しだけかかりますが、実は優れているかどうかは一瞬で聴き分けてる事になります。
先ず聴く前に設置の方法や結線のしかたを見ると大体は想像出来ます、そして部屋に入りオーディオ機器の電源が入った状態で、話した時、既に大体分かります、
後は聴けば聴くほど分からなくなります、色々な雑念が入るからです。
真剣に聴かない方がむしろ全体を見晴らせ、分かる気がします、聴き始める一瞬だけ鳴り始める音を待ち、鳴った瞬間を聴くのです、これは私に自然と備わった能力で、人にお伝えしてもなかなか分かって頂けないようですが、分かる方はやはりいらっしゃるようです。
しかし必ずしもそれが分かる人だけが良い音を鳴らせる訳でないことも分かって来ました、そして何処をどうすればこうなる、それもだいたい分かってしまいます。
そしてそのオーディオシステムの帯域バランスも分かります、ただ『これは私のオーディオシステムなので弄らないで下さい』こう言われてしまうと話はそこまでです。
中には音の悪い部屋があります、これだけは時間が関係するため、それまではどうにもなりません、引っ越したばかりのマンションや新築の戸建ての部屋です、越してきたばかりの我が家もそうでした。
『どんな部屋でも三年は我慢しなさい』このような言葉があるように、どんなにご立派な部屋でも新しい時は柱や床や壁天井がガチンガチンなのです、ほぼ密閉状態で鼻がつまったようなうるさい音になります。
試聴はそんなに長く聴かなくても一瞬で分かるものです、そして人のフィールドへ入る時は必ず、CDかレコード自分の所有しているものを持参します、CDもレコードも年代によって音が違うからです。
長い間聴かなくても音は分かるものです、そして必ず聴いたままの感想をはっきり伝えます、結果相手から反論があっても口論はしません、それはこれからのお付き合いの中で自然と伝わると思うからです。
それっきりになってしまう方もいらっしゃいますし、何度もウエスタンスピリッツへ来られ違いを理解される方も沢山いらっしゃるからです。
とにかく音は一瞬で分かります、分からないのはエージングがどうのこうの考え過ぎているからです、確かに新たに購入した機材(特にカートリッヂ)やケーブルはエージングが必要になります。
しかしそのものの素質は直ぐに分かるものであり、エージングでの差はそれ程大きな変化はないものです。
一瞬で分かるようになる慣れと努力が必要です。