新たなLCネットワークの固定抵抗調整。
オーディオはつくづく難しい…止めておけば良いものをまた始まってしまった。このネットワークは、6dB/oct形ネットワーク(-3dBクロス)である。優れたツィーターが繋がった、もっと鮮度を上げクリアーにしたい。そう思った。
一番エネルギーロスのないタイプのネットワークであると個人的に思っている。それはなぜか?並列に繋がる部品は固定抵抗のR2のみ、マイナスへ捨てるエネルギーが少ないからだ。
ウーハーJBL130A
800Hzカット。能率は101dB。ボックスは同4560BKオリジナル。
ドライバー&ホーンはドライバーがJBL LE-85で、ホーンはCORAL AH-500、下を800Hzで上を5000Hzでカット。ドライバーの能率は108dB。
ツィーターはTechnics EAS9HH42で、5000Hzでカット、その上の周波数を再生。能率が本機は多分101dB。
全体的にカタログデータを見る限りにおいては、ドライバーだけ7dB絞れば良い、そんな風に見えるが。
今回購入したTechnicsのツィーターは暫く何年も使用されていなかったのだろう。なかなか本領を発揮しなかったのである。
その為か、何度も固定抵抗の値を動かすはめになってしまった。やっと情報量が増えて、先ず思いっきり鳴りだし、次第に角がとれて本領を発揮したようだ。
その為、一旦決めた固定抵抗なしから、とりあえず去年末に2dB絞ってあった。ところが鮮度が著しく落ちて、三日目から次第におとなしくなってきた。次にマイナス1dBに能率を上げた。
しかし変わったのは音量だけで、鮮度は落ちたままの細い芯のない音に満足出来ずだった。
次の日まで鳴らしておいて聞いてみた。やはり納得いかないので固定抵抗を再び外した。
やはり抵抗は外した方が音は太く鮮やかで優れている。しかし何となく下のドライバーと 繋がっていなくて、ツィーターが少し主張する感じだ。僅かな差でも気になるこの違和感。
その時のドライバーは、R1が4.7ΩでR2が5.6Ω=マイナス8dB、つまり能率は100dBとなるが。聞いていて個人的に能率はJBLの公称と少し違う99dBに感じたが、次にマイナス7dBにして暫く聞いていた。
つまり能率はJBLの公称の能率が正しければ101dBになったのであるが?である。
どうにもほんの僅にエッヂが足りない気がした。そして更にドライバーをマイナス6dBにしてみた。R1が4ΩR2が8Ω、メーカーの公称の能率が正しければ、能率は102dBとなる。しかし実にウーハー、ドライバー&ホーン、ツィーターと上手く手を結んだと思う。
どうやら、今までの経験からすると、JBL LE-85は能率が少し低く、107dBであると私は思う。
ホーンがコーラルのAH-500だから?かとも思えるが、この際省かせていただく。
私はジャズやクラシックでシステムの音を決めようとはどうしても思えない。決めるのはやはり、標準的なポップスである。
竹内まりや、マドンナ、マイケルジャクソン、クィーン等何を聞いても、ボーカルが爽やかにうるさくなく違和感なく聞ける様にである。
それらが上手く再生出来れば、ジャズやクラシックもなぜだか上手く鳴るのだ。
今のところ上手く鳴って聞こえるのだが、また固定抵抗の定数は動くかも知れない。
これはあくまで、今の不満のある私の狭い部屋での結果なので、一概に正しいとは言えない。レベル調整は、この様に実に大変な思いをする事になる。時として分からなくなる。
だからけっしてカタログデータと教科書を見て、割り出した数値が絶対に正しいとは言いがたい。最後はやはり耳である。
しかし不思議だ、ドライバーの能率を変えただけなのに音も定位も全く変わるのだ。ツィーターとの繋がりもあるが、その結果、低音がかなり変わるのである。
我が家の低音はもう緩くなることはない。常に引き締まっている。そして普通このユニット(JBL130A)から鳴らない筈のかなり低い最低音が出るのだ。それは、ボリュームを最低にしていても。
そして去年から色々実験を重ねた結果。二年前から違和感を感じていた最後のLP盤から違和感がやっと完全に消えたのだ。
そのレコードは米ConcrdのCJP-211(PICANTE) LAURINDO ALMEIDA・CHARLIE BYRD LATIN ODYSSEYの中のギターの低音弦のゴンッ!と言う濁った様な音である。
嬉しい事だ。