ツィーターのセッティング
スピーカーユニットの中で一番難しいのがツィーターのセッティング位置だろうと思う。それは何故か?一本ならばやり易いが、ステレオはスピーカーが二本あるからである、なので至難の技である。
そしてびったり合った時、ツィーターは下の周波数と手を結び、まるでそれ自体が消えたかの様な鳴り方をするものである。
ツィーターには大まかに分けて一般的に三種類ある、ドーム型、ホーン型、コンデンサ型、私はコンデンサ型やリボン型は使った事はない。
だからドーム型とホーン型のお話をしよう。
先ずはウーハーやフルレンジの音源はどこなのか、ズバリ、センターキャップの一番頂点の所である。スピーカーボックスの前面下に糸の先に鉛を付けて垂らす、その糸の位置からセンターキャップの位置を探り、そこをツィーターの音源と合わせるのである。
ユニットの振動板の位置どうしを合わせるのはナンセンスである、スピーカーの構造を考えるにそれではどうしても位相が合う筈がない。
ホーンの一般的な音源は、スロートになった所から急にホーンが広がり出す所である。ホーンの前面からそこまでを物指しで計り、置いてる位置から正確に割り出せばよい。
一般的にホーンは能率が高いのでドーム型ツィーターとは合わせない、ホーンツィーターは開口部の先端が音源となり、そこを合わせればオーケーであるが、これがとてつもなく難しいのである。
なのでフルレンジのユニットとホーンツィーターを合わせる時も同様にフルレンジのセンターキャップの頂点と合わせればそれで良しとなる。しかし細かく合わせれば1~2㎝前後するかも知れない。
何故難しいのかであるが。ステレオは二本のスピーカーがあり、その二本のスピーカーがバランスして音場を作っているからである。
そして部屋の状態によるが、左右どんなに対象にスピーカーを置いても、左右は全く違う鳴り方をするのである。見た目を気にせずに、結局、耳で合わせるしかないのである。
そして位相を合わせるにはワンポイントステレオ録音のCDが合わせやすい。例を二枚挙げると、ビクターの鬼太鼓座(おんでこざ)ベストの三国幻想曲が良い、所謂太鼓のCDである。
それと、デンオンPCM録音のインバル指揮のマーラー交響曲五番が良い。共にワンポイントステレオマイクで録られた録音である。
この二枚のCDは音や演奏が良いのでなく、ツィーターの位置を合わせるのに役立つと言う事である。音が真ん中に来るだけでなく、奥行きを伴っているかも問題となる。
この二枚をかけて高域ののびと広がり奥行きを調整するのである。この二枚が上手く鳴れば、いかなるジャンルを聞いても大丈夫である。が、なかなか上手く鳴らない。かなりの難易度である。
上手く鳴った時の感じは、ツィーターが消えたかの様な雰囲気になる。合っていないとシャラシャラした音になり気品がない。
後はネットワークのカットオフ周波数や、アッテネーターのレベル合わせも大いに関係してくる。
ツィーターの設置位置は、立派な位相管理である。レベル合わせだけでは絶対に揃わない。
ウエスタンスピリッツにあるB&W MATRIX805は、その位相が測ってみても見事にぴったり合っている。
ツィーターの設置位置はとても大切で、その効果は低音に迄及ぶ事が分かっている。
是非一度、挑戦してみて欲しい。