SAEC WE‐308SX
なかなかカートリッヂが上手く写らない。
WE‐308N(NEW)から取り替えて約一ヶ月、ようやく馴染んできた、そして微調整もかなり決まって来た。
難しいのは水平である、私の使ってるCadenzaはカートリッヂの下になるボディの部分とレコードの面が、針圧を正確にかけてレコードに乗った状態において、水平になってなければならない。
しかもインサイドフォースキャンセラーや、ラテラルバランスも、キッチリしなくてはならない。
単にメモリだけが合ってるだけではダメで、聞いたうえにおいて決まっていなくてはならず、その一点を決めるのは慣れてる私でも至難の業である。
メーカーの取り扱い説明書には、ここまで細かく書いていないのである、アナログは微調整の巧で音が決まる下克上のガチンコ勝負である。
何度おこなってみても、難しいのである、しかしこれから逃げる訳にはいかない、ハッキリと音にでるからである。
何を使っているかも確かに大切な事なのだが、アナログはこの調整いかんでは音が天と地の差になることを覚えておいてほしいのである。
ここだけが大切な訳ではないが、私はトーンアームの調整に明け暮れていると言って過言ではない。
どんなトーンアームも調整は難しいが、SAECの308SXや407/23や506/30は特に難しいと思う。
私は全部使ってきたが、中でも308SXが一番優れていると思う。
型番ばかりが先走るので本当は公開したくなかったが、誰か一人でもいい、このトーンアームの素晴らしさを心底ご理解出来る方に伝わってほしいと思うのである。
しかし、今から探すにしても、もう製造されて久しいので、なかなか本物に出会えないのである。
経年変化であちこち劣化してるものが多く、なかなか優れた性能を維持したものが少ないのが嘆かわしい。
端子だけが綺麗に磨かれていても、内部配線や半田が劣化している、ダブルナイフエッヂもガタがある、これではWE‐308SXとはいいがたい。
私は三年探しやっと見付ける事が出来た、オルトフォンのトーンアーム等作りはシンプルだが、見つけてもニコイチだったりサンコイチだったり実に酷いものである。
トーンアーム探しと使いこなしだけは、経験がものを言うと思う。
何とか年内に微調整を決めたいところである。