LCネットワーク
何度も書いて来ましたが、ここから読まれた方もいらっしゃるかもしれないと思い、呟いてみました。
ウエスタンスピリッツは現在、LCネットワークを卒業し、オールマルチシステムになっておりますが、過去に自作LCネットワークで苦しみ、その苦しんだ日々があったから今現在があると思っております。
自作ネットワークは地獄の一丁目とよく言われますが、そんな事はありません、しかしある程度の出費は覚悟しなければなりません。
「安価な部品でも音はそんなに変わらない」こんな事を平気で話すパーツ屋さんや、オーディオ屋さんの言う事を信じてはいけません。
私はそれを信じたばかりに大変遠回りをしてしまいました、どうせなら安く作ろうと、スケベ根性があったからです。
高ければ良いわけではありませんが、安くていいものはないのです、電子部品の差は、キャパシティーや定数のばらつきの誤差が大きいからです。
定数のバラつきが多いと、狙った周波数でカットされないばかりか、音の品格が違うのです。
個人的に私はドイツ製のコンデンサー、ムンドルフの最高級品を使いました。
コイルはDYIオーディオの空芯銅箔の幅広のタイプを使いました、このメーカーは定数を巻き戻し合わせて納品してくれます。
最後に肝心なのは固定抵抗の抵抗そのものの質です、個人的にUSAのDALEの消し炭色の5ワットのものを、秋葉原の海神無線で購入しました、重心が低く落ち着いた音質になります。
ネットワークは部品点数を少なくシンプルに、これが鉄則です、理由は部品点数が増えると接点も増えてエネルギーロスを起こすからです。
アンプ側からみると、端子や部品や接点は、総て抵抗になります。
余計なものは通さない方が、エネルギーロスは少なく、間違いなく音は良くなります。
ネットワークが間違いなく出来ると、妙に明るい音や、エッヂのたった尖ったような音はなくなり、重心の低い濃いが鮮やかな静かで円やかな音になります。
この差を聴いて分からない方には、ネットワークを作るのは無理だと思います。
成功させるコツは、絶対にウーハーを絞らずオープンにして、その上の帯域を鳴らすドライバーやツィーターと能率を合わせる事です。
メーカーが明らかにしている、公称インピーダンスや能率を信じる事です。
そして出来る限り同じインピーダンスのユニットを揃える事です、それは何故か?部品定数を計算するときの計算ミスを防ぐためです。
これはプロフェッショナルでも、結構、計算ミスをしているからです。
さてこれらの部品を妥協なく集める事が出来たら、設置場所を考えて、出来る限りしっかりした重量のある板を探し、配線をしてしまう前に、板の上に部品を並べてみて、何度も配線の取り回しを見つめてみましょう。
出来る限り左右対象になるようによく考えましょう。
そして本当にそれが最善の配線方法なのかを、何度も冷静に考えます、そして答えがでたら、丁寧に最短距離で綺麗にからげ、しっかり半田で留めて下さい。
そして聴いてみて下さい。
ネットワーク作りで絶対にやってはいけない事、ご自分独特の帯域バランスを作らない事です、もう少しシンバルを強く鳴らしたいとかです。
例えばウーハーが101デシベルならば、総てのユニットを101デシベルに合わせる事です。
一つのユニットの能率が合わないと、トータルでの帯域バランスは整いません。
みんなそこで失敗しています。
これはあくまで私個人の経験で、これが総てとは言いません。
古いオリジナルネットワークをお使いの方、そろそろ部品や接点が経年劣化してるかもしれませんね。
大変かもしれませんが、自作LCネットワークにトライしてみませんか。