床屋さんご来訪
いつも散髪でお世話になっています、そしてずっと一緒にオーディオをやって来たお客様でもあります、床屋さんのオーディオは昔はアナログでしたが、一旦は訳あって暫くオーディオから遠ざかってました。
ここ数年ブルートゥースから始まりいきなりネットオーディオに変化しました、お店に設置されたオーディオシステムですが、かなりの音質だったのです、もともと拘りのある方なのでそこで止まる筈がありません、結局床屋さんからスピリッツケーブルの注文がきたのです。
メール等でやりとりしていても真価は分からないので、私もネットオーディオが必要と思い購入したのです、始めはスピリッツケーブルの話をしていましたが、お互いのシステムの違いの差を感じ、お呼びしたのです。
床屋さんはネットオーディオを現代的なシステムで聴いている、私はやはりアナログ派です、しかし大きく違うのはスピーカーだと感じたのです、今回その聴き比べです、床屋さんはご自分のシステムしか聴いていません、私は床屋さんと自分のシステムを聴いています、大きな開きを感じました。
どちらがいいわるいでなく、質の違いを知った上でネットオーディオを楽しんで欲しかったのです。
ネットオーディオを鳴らす上に於いては床屋さんのシステムの方が遥かに聴きやすいのですが、アナログ主体のシステムを理解したらもっとネットオーディオが楽しいものになると思えたのです。
床屋さんのお住まいは東京都の世田谷です、今年七十歳です、なのでご友人とお二人で車で来られました、ここは寂れた田舎街なので驚いていました。
早速ウエスタンスピリッツのリスニングルールへ、朝からエモーティバのCDをリピートさせ、スコットハミルトンを鳴らしておきました、部屋の湿度は47パーセント、完璧です。
床屋さんはシステムをご理解されていますが、ご友人は初めてなので先ずは簡単にマルチシステムの説明をしました。
お二人ともしげしげとシステムをご覧になられてました。
先ずはCDから、床屋さんは『これって本当にCDの音?やっぱり凄く良いね』との感想です。
そしてネットオーディオ、色々なジャンルを聴きました、床屋さんは『家のシステムと音がぜんぜんちがうね』ご友人は『低音が前にでてくるな』でした。
ご友人はかなりクラシックコンサートへ行かれてるようなので、我が家で聴いたネットオーディオの音にやはり違和感を覚えたようです、私もいつも同じに感じています、それはその時も。
簡単に話すと情報量が少ないのです、床屋さんで聴くネットオーディオはもっと軽やかで抜けが良くチャーミングな音です。
最後にアナログを聴きました、やはりウエスタンスピリッツと言えばアナログです、お二人とも真顔になりました、床屋さんは『ぜんぜん違うね』と驚き聴いていました、ご友人の方は『音のバランスが良くて、音が奥の方から聴こえてくる、ボリュームを上げても下げてもそのバランスは崩れない、聴きやすい』との事。
そして床屋さんは『これはアナログの音じゃないよ、レコードの管理が良いからかスクラッチノイズがない』との事でした。
私はこうお伝えしました『ねえ?分かりますよね、これがアナログ本来の音です
』と、そしてこう付け加えました『床屋さんの音はネットオーディオで我が家のアナログのような音で、我が家ではネットオーディオはあまり上手く鳴りません、つまり現代のシステムとビンテージシステムの違いで、どちらが良い悪いではありません』と。
やっとお互いの溝のようなものが埋まりました、これをお伝えするためにどうしても双方の音を聴いていただく必要があったのです。
そして双方に繋いだウエスタンスピリッツのケーブルの差も含め、私の作るケーブルを理解してほしかったのです。
ご友人の話された奥行きと広がり、そしてネットオーディオを繋ぐ環境の違い、とその音質の違いを見事に言いあてられたのは、正直驚きでした、やはりオーディオにあまり感心のない先入観のない人が聴かれるのは、ズバリ帯域バランスなのが改めて確認出来ました。
現実を超える音など何処にもないのです。
いかに素直であるか、いかに端整に鳴るか?だと思いました。
床屋さん、ご友人の方、本日は遠路おつかれさまです、貴重なご意見感謝いたします、楽しかったです。
床屋さんへ、もっとラフに肩の力を抜いて過ごして下さい、少しお疲れのご様子と私は感じました。