眠れない夜に
一旦ベッドに入ったものの何故だか眠れず、三階のリスニングルールへ上がって来ました、外はけっこうまとまった雨が降っていますが何の音もしません。
少しして気になったのは二十四時間換気の小さなファンの音です、しかしそれも切りました。
本当に何の音もしなくなりました、さて、何を聴こうか棚を見るとジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマンがありました『今日はこれを小さな音量で聴こう、今の気分にぴったりだ』
レコードジャケットには、夜の静寂に響く漆黒のバラードと書かれていました、微かに聴こえるその音は、実にはっきりしていて音量は小さいが勢いがある。
以前このレコードを聴いたターンテーブルはテクニクスSP-10MK2でした、今はSP-10Rになりました、同じレコードとは思えない位の音質です。
私が以前使っていたSP-10MK2は中古で購入したのですが、あまり保管状態が良くなかったのか、こんなにはっきりとした滑らかな雰囲気ではなかった。
大きな音量の時はあまり感じませんでしたが、今のように極小さな音量になるとその差は歴然としています。
SP-10Rは去年発売された日に新品を購入しました、もう中古品は嫌だった、どうしても前に使っていた方の癖みたいなものが音に出るからです。
他で聴いたどの様なターンテーブルとも違うのです、初めて我が家に届いて慎重に組み立て聴いた時は天にも昇る気分でした、それは最近更に現実味を帯びてきました。
お店でお金を支払い購入してから納品まで二~三ヶ月かかるとのことでした、その間私はSP-10MK2を聴きながら、出来うる限りの良い音を思い描いていました。
しかし実際に、
届いたSP-10Rはその想像を遥かに超えていました、迎えるにあたりラックをしっかり完成させておりました、そのラックの重量は2トンあります、特に大変だったのは水平の精度です。
カタログやネットの情報でその完成精度は正に化け物、こちらもかなり気合いをいれないと、その真価を聴けない、そう思いました。
事実素晴らしいものでした、まだ使い切れてるとは思えませんが、本当に素晴らしいと思います、絶対無比とかその様な言葉では語れません、音楽が鳴るのです。
もっと簡単に話せば、レコードに刻まれたそのままが再生出来る、そんな感じです、私は異常なのかも知れませんが、SP-10MK2でも回転ムラ、ワウフラッターを感じていましたが、本機はそれを感じないのです、それはクラシックを聴くとはっきり分かります。
夜の静寂に響く漆黒のバラード、正にぴったりの音を聴けました。
そして、レスター・ヤングのジャズ・ザ・ジャイアント、やはり最高です。
ビンテージも魅力的ですが、またそれとは全く違う世界です、私には絶対に必要だったのです。
このターンテーブル固有の音は感じませんが、それがこのターンテーブル固有の鳴り方だと思います。
とても満足したので、眠くなって来ました、お休みなさい。