何故ラックが大切なのか
何度も話して来ました、スピーカーからの震動が床やラックから伝わり機材本来の性能を発揮出来なくなる、私はこの事に気付くまで時間がかかりました、まともな機材が揃い極限と思える状態になった時更にラックの大切さを知りました。
ウエスタンスピリッツが作ったラックは、赤タモ(ニレの集成材)と荒杉の角材を簡単に貼り合わせ重ねるように作っています。
確かにもっと音質を求めるなら、個人的にイタヤカエデが好きなのですが、イタヤカエデは音も素敵ですが、お値段もかなり素敵です。
私は生業なのであまり特殊なものを使ってはいけないと思うのです、例えば私がイタヤカエデでオーディオラックを作ったとします、こう言われるかもしれません『ウエスタンスピリッツは最高級のイタヤカエデのラックを使ってるから音が良いのだ』と。
イタヤカエデのオーディオラックなど高くて誰も購入しないと思います、そして生業とはお客様より高級なものを使わずに驚きの音を鳴らして当たり前。
つまりある程度誰にでも購入しやすく簡単に作れるものを使う事が大切だと思います、少し話しはそれますが、ウーハーにしても130Aを使用していますが、その130Aもあえてフイックスドでなく、ギャザードエッヂタイプを使っています、私は優れたりものを使わなくてもいい音を鳴らす自信があるからです。
寧ろフイックスドエッヂタイプのような高級品はお客様の所へ、それが私の信念です、以前私は極限まで鳴らそうと、ウーハーやドライバーの入力端子を外し、リード線に直にスピーカーケーブルを繋ぎ、半田で留めていた事があります。
家内に言われました『かなり特殊なやり方だよね、普通のお客さんには出来ないしやったら壊してしまう、そして特殊な事をしてるから音が良いのだと言われかねない』と。
それに何か変更があった時大変な事になります、なる程と思い、今は総てオリジナルへ戻しました、配線も楽になりました。
これら総ては抜群の効果でした、正直どんな機材を買い換えたより遥かに大きな変化でした、鳴るにも鳴らないのにもしっかりした理由があります。
話しは戻ります、完成したラックを設置する前に、床にベタに低反発のバスマットを敷きました、その上にラックを重ねるように設置しました。
端整な音を鳴らすには一番の方法だと思います、バスマットは特にアナログのハウリングマージンが格段に上がりました、そして本来の音になり音の重心が下がり、穏やかで濃厚な音になり楽器の分離のしかたが向上します。
そしてスピーカーの下の床にベタに10センチの厚さになるように重ねて張り合わせた赤タモの板を敷きました、それだけでは不十分なので、敷いた板とスピーカーの底面の間に一センチ角のキューブ三点設置してスピーカーを僅かに浮かせました、スピーカーの下に敷いた板の下はバスマットは敷きません、音が鈍るからです。
この方法は人伝に聞いた話で私なりにその意見を応用したものです、やってみて思いました『オーディオはいいものを使う事も確かに大切、しかしそれらを設置する床やラックが実はとても大切なのだ』と。
スピーカーからの震動が機材へ伝わり悪さをして機材本来のスペックが出ない、その為にスピーカーやラックの下や機材の下に質量のある響きに優れた板を敷きしっかりさせなければならない。
それをスピーカーの下である程度震動や付帯音をたち、スピーカーの前に存在する機材本来の性能をアンプに届ける事が大切です。
いくらターンテーブルのキャビネットを優れたものに買い換えても、それを支えてるラックがしっかりしていないと効果がないのです、オーディオは総てが大切ですが、やはり上流からしっかり固めてないと、それを増幅するアンプはまともな信号をスピーカーに届ける事が出来ない。
それらが複雑に絡みオーディオは鳴らない理由になっている、スピーカーの下やオーディオラックやその下が駄目だからオーディオが鳴らないのです。
どんなにやってもスピーカーからの震動はなくならない、しかしやりもしないで色々話してる方を私は信じない、ある程度は理論も大切、しかし理論だけで音質は向上しない。
オーディオを見ていると、何十年同じ事の繰り返しだからある程度のところで音はどのシステムも頭打ちでなかなか飛び抜けた音は聴けない。
ただシステムがハイエンドになって行くだけで、実は思った程音質は進歩していない、これが現状です。
もっと床やラックが重要視されてもいいと思います、