自作ネットワーク(4)
ネットワークの素子はネジで止めただけでは、一見クリアーなイメージはあるのだが、どうしても明るい音になり、低域も力がなく、全体的に潤いを感じない。落ち着いた歪みのない透明な本当のクリアーと、明るすぎる跳び跳ねた様なうるさい音は違うのです。
頭で考えると半田は何となく音が汚れる様な気がする、しかし実際は最高の接点処理法であると私は感じる。
音がしっとり落ち着く。
でも確かに、半田はデメリットもある、高熱でとける為アニールされ、時間をかけゆっくり素子と融合するために、三日間は真価が分からない事だ。
半田をしたばかりの時は異様に音が良い、少しずつ音に元気がなくなってきて、二日目はクモってくる、約72時間かかる、その時に自分の意図した音になっていれば成功、駄目なら部品定数をずらしていき、決めていく。
その半田自体にも物凄く音のキャラクターがある、日本の半田は生真面目な伸びのないベタベタした音、USAの半田は音が太く静かで落ち着いた音、英国の半田は陰影が深く暗めで中域の薄い音に私はかんじる。それは総じて、スピーカーでも似たような印象を受ける。
それとネットワーク作りは最短距離で行うのが良いようだ、長い配線をネットワークの内部で行うと、接点が増えて上手くいったためしがない。
出来る限り素子どうしをからげ入出力端子に繋げる、出来るならば、スピーカーケーブルも、直に半田してしまうと、音は確実に良くなる。
端子に複数の線をどんなに上手く束ね重ねて上から圧着しても、ケーブルは電磁誘導で動く、これが音が跳び跳ねうるさくなる原因の一つである。
よく聞きます、ボリュームを絞るとつまらない、上げるとうるさい、ちゃんとしていればそんな事には絶対にならない。
後は部品選びだ、部品メーカーの音をあれこれ選ぶのも悪くはないが、あまり安くて良いものは先ずないと思った方が良い、変わらないと言う人がいるが、そんな事はない、先ずはコンデンサーだ、一般的には高級品はポリプロピレンのフィルムコンデンサーだ、精度も高くエージングに時間はかかるが、カッチリした芯のある音がする、次にオイルコンデンサーだアメリカ製のPCBの入ったタイプが本当は音が良いのだが定数が揃わず、環境破壊と法律上本当は販売出来ない事になっており、なかなか売ってない、少し霞のかかった柔らかな奥の深い音だ、次に電解コンデンサーだ、耐圧が高く、力強く少し粗い雑な音で、あまりおすすめ出来ない。
コンデンサーは耐圧が400Vは欲しい。
次にコイルだ、出来る限り卷き線の太い直流抵抗の少ないものを選んで欲しい、鉄芯の入ったタイプはドカンッ!っと来る音だ、それに対し空芯銅箔タイプだ出来るだけ幅の広いタイプでポリプロピレンと巻いてあり、直流抵抗の少ないものが良い、空芯銅箔のメリットはオーディオ程度の再生周波数の中には共振する帯域がないのと、強いパルス信号が連続して入っても殆ど飽和しないことだ。
しっかり引き締まったレンジの広い音だ。
次にアッテネーターだ、可変式のアッテネーターは音が明るくてうるさくて使えない、やるなら固定抵抗が音が落ち着きベストである。
次にトランス式のアッテネーターだが、かなり良い太い線を巻いていないとその線のキャラクターがもろにでる事になる。
エネルギーロスがないためにウーハーが負けて、どうしても低域の力不足を感じる。
質の高い部品を選び、R-1(直列)R-2(並列)で決める固定抵抗がベストである、アメリカ製のDALEの消し炭色の3Wのタイプがとても落ち着いた感じで私は好きだ。
今日はこの辺で。