優れたオーディオの条件
世の中には実にたくさんのソフトがあります。
そして、たくさんのジャンルや色々なレーベルの録音の違いや、音の違いがある、オーディオを深くやっていくほどに、そのレーベルの数の多さに呆れる位です。
同じレーベルであっても録られた年代やミキサーによっても、何処の国でプレスされたのかによっても、鳴りかたは千差万別です。
それら大多数のソフトをジャンルを越えて、レーベルを越えて、上手く鳴らせるシステムが優れてると言う事になるのではないでしょうか?
必ずみなさん一度はそこに行き着いた筈です。
人間どうしても自分がコレクションしたなかで、気に入ったレコードやCDがあると思います。
少なくとも私はそうです、自分のシステムであまり上手く鳴らないソフトには手がのびません。
今日一日ずっとその事を考えていて、この文が閃いたのです。
以前はその上手く鳴らないレコードを聞き、そのレコードで改善しようとしたことがありました。
調整してゆくと、確かにそのソフトだけは上手くなるような気がします。
しかし、違うのです、その方法ですと、今度はまともに鳴っていたソフトまで変な音になってしまいます。
とうぜんグラフィックイコライザーなどお話にもなりません。
でも私はそこで自分のミスに気付いたのです。
鳴らないレコードだけを追い込んでも駄目な筈だと。
私が考えたのはこうです、やはり基準があるのだと、世界中にはたくさんのスタジオがあります、そんなに常識から外れたモニタースピーカーを使っているとは思えません。
結局は、録る人(ミキサー)の違いでしかない、後は録音機材です。
ならば、自作の考えで組んだ私のシステムの音が標準ではないのかも知れないと思ったのです。
そして私は出来る限り色んなシステムの音を聞き歩く様になったのです。
その結果、手を加えていないメーカーオリジナルの製品は可もなく不可もなく、メーカーの音色は各々あるけれど、どれもある程度標準的であると気付いたのです。
自作で組んだシステムは、やはりどこで聞いても、どこかが標準から外れているのです、多分、ユニット各々の特性の測定の仕方の違いがメーカーによって、またそのクラスによっても、まちまちだからなのではないか、と、思うようになりました。
だから、みなさんは、なかなかスピーカーシステムをひとつにまとめる事が出来ないのだと思います。
現にJBLのユニットはカタログデータとはかなり違います。
JBLのネットワーク3110(JBLは他のも独特)の配線図をお持ちの方は、その部品定数をご覧になったらお分かりになると思います。
各々のユニットはJBLが公称しているインピーダンスでは、800Hzでは繋がる筈のない部品定数になっているのです。
私はJBL3110のそのへんてこな部品定数をみて、同じ定数で作ってみてから、難しさが分かり、ネットワークにはまってしまったのです。
これは個人的な事ですが、ツィーターはあまり主張させないように、エアー感を再生するイメージで、私はアッテネーターの定数を決めています。
これもやはり使いこなしになるとは思いますが。
ドライバーとの兼ね合いはとても難しいと言わざるを得ません。
つまり標準にすることで、鳴らないソフトは減ってゆく気がします。
殆どのレコードやCDが上手く鳴るように、努力しましょう。
因みにヘッドフォンは鳴らないソフトはかなり少ないでしょう?私が言いたいのはそこなのです。
そこがヒントではないでしょうか?ヘッドフォンの振動板と鼓膜の間は貴方のお部屋と例えてみたらどうでしょう。
その場合、ヘッドフォンの振動板はスピーカーユニットです、鼓膜は貴方、リスナーそのものと考える事は出来ないでしょうか?
その位置自体をスピーカーに当てはめる事は出来ませんが、スピーカーシステムと我々リスナーとの間には距離があり、お部屋の特性があります。
そして、スピーカーシステムを置く場所はその部屋の中に無限大にあると思います。
但しヘッドフォンの様に耳の横にスピーカーを左右に置いても上手くいきません。
馬鹿な話私は若い頃に実際にやってみたのです(笑)
全くお話にもなりませんでした。
優れたシステムの条件とは、上手く鳴らないレコードが少なくて、二本のスピーカーを耳で聞いた時に基準の音にする事だと私は思います。
その基準の音にする為に、各々が一枚の基準のレコードを自分で決める事です。