素線径混合リッツ線ラインケーブル完成
このリッツ線実験は総て同じ長さで行っている。
正直、製作はかなりの難易度があった。
LCRメーターで、完成したケーブルのインピーダンス(1000Hz)を測った、0.01Ωから0.00Ωを行ったり来たりしている。
今まで作ってきたリッツ線ラインケーブルの中で、この周波数では一番インピーダンスが低い、今までは0.06~いっても0.02Ωだった、これはもしや…
本当は、もっと測定周波数を広く変えられる本格的なLCRメーターで、周波数ごとのインピーダンスを測るのが本当だ、なぜならリッツ線の表皮効果の改善効果は高周波でのお話しだからだ、それに幅広い周波数でのインピーダンスを分かれば、作るのはもっと簡単になるかも知れないし、数字上でインピーダンスの差を、みなさんにはっきりお見せする事が出来る、それが原因かは分からないが、なにがしかのデータにはなると思う。
しかし、今回、簡易的なLCRメーターではあるが1000Hzで測っている、あてにならないと言うかほぼ無意味、しかしこの違いは、重低音にまで影響していると個人的に思うのだが、やはり最終的に耳で聞いて判断する事になる。
《ファーストインプレ》
出来上がったリッツ線をCDに繋ぎ、マンハッタンジャズクィンテットのVSOPやクラシックなど、とにかくたくさん聞いた、長い時間聞いていられる、いつの間にか総てのCDを一枚通して聞いてしまう、再生周波数が広いので楽しく聞きやすいのだろう。
遂に見つけたこのバランス、0.08ф150本の美しい高域はほぼそのままに受け継がれた、その高域はドライバーと上手く繋がり、中域から低域にかけての量や広がりや奥行きは、聴感上の事ではあるが、今までの数倍に達した、高域の変化はお話しする迄もないだろう。
重低音は勢い良く弾み、芯を伴い、しっかり低い所まで引き締まり沈み込んだ。
正に狙いどおりとなった、いやそれ以上である、何よりもリッツ線を色々作り上げてきて、初めて楽器の音が鳴ってくれた。
しかしこの結果は、あくまでもウエスタンスピリッツの絹巻きケーブルの作り方での結果で、一般のリッツ線ラインケーブルのお話しではない。
同じ素線の径と数を合わせて作ってみても、普通の静電要領の多い被膜(石油系)では、多分虚しい結果に終わるだろう。
今回、リッツ線ラインケーブルをたくさん作っている内に、確実にリッツ線を作る為の、色んなノウハウを得た。
この素線径混合リッツ線ならば、繋ぐ所は多分もう選ばないだろうと思える。
さてこのリッツ線、一つ難がある、ケーブルの中でのショートが非常に多い、今回も片チャンネルあったが、何とか曲げたりして、接触しない様に対応した、多分シールドとプラスの線との接触である、おそらく被膜(ポリウレタン)が薄く繊細なのだろう、その対策をこれから100%講じなければならない。
これから対策の為の素材を探し、いよいよ仕上げに入る、とんでもない化け物を作ってしまった。
静かで綺麗な音でクリアー、力強く鋭角で、優しく広がり、全くうるさくならない、夢の様なリッツ線ラインケーブルである、しかしお断りしておく、従来の裸単線0.6ф4本シールドラインケーブルがこれに劣る訳ではない、やはり双璧である。
構想から半年、リッツ線の雛形は遂に出来た、しかしこれではまだ商品化には至らない。