アナログ回路も総てリッツ線で繋がった
前回は、最後の最後に、焦りからトーンアームの内部配線が太すぎ、アームの回転に負荷がかかり失敗した。
結論から話すと、今回トーンアームの内部配線は成功したと思う。
今回は、前回の失敗を教訓に、0.29ф(㎜)の単線を基準に直径を割りだした、PEW0.12ф単線をプラスマイナスに各々6本使用した、その径と本数では柔らかいので、トーンアームの回転動作に負荷はない様だ、上手くいった、当然音もリッツ線の音そのものである。
その結果低音が減って聞こえる(後に低音は太くなった)が、そうではなく、歪みが減ったので低音も減って聞こえたが正解、更に本当に低い低音迄のびて増えている事が聞いていて次第に分かった、トーンアームの内部配線は、太さでなく、アームをまともに動作させる事が大切である。
0.29фを基準とは言っても、市販のトーンアームの内部配線よりは、かなり太いと思う、しかしアームの動作に支障なく、音の分解能が格段に上がった。
当たり前だがトーンアームの内部配線に大切なのは、太さよりもトーンアームの縦横の感度だと改めて痛感した、その範囲内での内部配線の太さの限界の研究はこれから必要である。
しかし、老婆心ながらお話ししておくが、トーンアームの内部配線交換は、素人さんはやらない方が身のためだ。
アームをほぼ分解しなくては本来の精度が出ないし、ケーブルがアームの中を通らない、ヘッドシェルと繋がるアームの入り口の端子は、中にバネが入っており、多分、半田ゴテの熱で溶かしてバネがきかなくなり、壊してしまうからだ、ここの半田にはノウハウがある、内部配線のテンションと合わせて、先ず完璧には出来ないと思うからだ、トーンアームの内部配線交換の難易度は半端でない。
今回、シェルリード線、トーンアームの内部配線、ピックアップケーブル、MCヘッドアンプからプリ迄のラインケーブルを総てリッツ線で繋げた。
そこから先のプリからパワーアンプ迄のケーブル、スピーカーケーブルを先に総てリッツ線で既に配線を終えていた。
ネットワークのドライバーとツィーターのレベルの固定抵抗の部品定数も先に変えていた。
ドライバーはプラス2dB、ツィーターはプラス4dB能率を上げた、ケーブルで、スピーカーのアッテネーターの数値がこれ程変わるのだ、普通ここまでレベルを上げたら、耳にくるJBL独特の薄く明るい音になるのだが、今回全くそんな事はない。
むしろドライバーは後2dB上げたい位だがもう少し聞き込んでみる、アームの動作の問題もあるだろうが、リッツ線によりエネルギーロスを減らせた事が原因なのは明らかだ、クリアーで太くまとまった、自然で落ち着いた音になった。
全体的に、かなりの音質変化になった、そのクリアーな品の良い音は、現代のハイエンドにどこか通じる感じがある、ただ一つ違うのは音が濃厚でガッシリとしているところなのだ。
今まで聞けなかったエリッククラプトンのアンプラグドが聞けた。
アコギの音は鮮烈で、バックの女性コーラスが奥の方からハッキリ聞こえた。
それと、ミュージシャンは弾きながら、お互いに声を掛け合い、讃えあっているのが分かる、シンバルの音も太く鮮やかになった、シンバルの音域はとても広い。
例の如く、半田の融合はまだ出来てないので、音は力なく潤いは足りないが、72時間後の音はもう大体掴んでいる、全体的に上手くまとまっていると思う。
半田をしたことによる磁化は、三十分聞いていたらなくなった。
いやあ~これは良い、ただ変わったのではないのだ、奥行きスケール申し分ない、更に静かになった、見晴らしが抜群に良くなった、低い重低音がはじめてちゃんと鳴った。
しかし市販のリッツ線とはいったいなんなのだろう?
全く違うではないか、やっぱり想像どおりケーブルは作り方なのだ。
聞いていて思う、今までのアナログの音を、また遥かに飛び越えてしまった。
違和感を感じない、いつまでも聞いていたい、柔らかで素直な癖のない可愛らしい音だ。
みなさん、オーディオはちゃんと鳴るのだ。
でも、前回は正直駄目か?と思った、いくら片チャンネルの音が歪んだとは言え、先が全く見えなかったので不安だった、正直PEW0.12ф単線を購入するのもためらった、仕入れる数が膨大になり、失敗したらマイナスが大きいからだ。
アームが正常動作していなかった、今回は上手くいったから良かった様なものだが、やはり焦りは禁物である、これは分かってはいたけれど、現にプロでも今回は失敗したのだ、とても良い教訓になった。
アナログの他のラインレベルも総てこれで良いようだ、トータルでバランスが整っている。
しかし、アナログはやっぱり凄い!CDが先にリッツ線で総て繋がった時は、アナログは明らかに負けていた、しかしまた追い抜いてしまった。
しかしもう、新しい面白味のあるアナログソフトがこれから新たに発売される事はないと思う、その為にもCDを更にもっと上手く鳴らしたい、CDも個人的にまだ上手く鳴らせないだけと思うからだ。
そして夜中に、MCヘッドアンプを通さない小さな音量でも聞いてみた、総てのジャンルで、まるで音楽が変わった様な鳴り方をした、今までブログに書いてきた更に上の音はやはりあったのだ。
僅かに下から一番目のこんなに小さなボリュームで、低域も中域も高域も躍動感も全く不満を感じない、これはとても好ましい。
もう凄いとさえ思えないのだが、これが凄い事なのだと思う。
音像は小さく、出だしから消え入るところまで素直に最後まで鳴っている、そう!ウエスタンスピリッツはこの音が欲しかったのだ、やっと異次元オーディオ構築の入り口に入ったのか?
自然さ、柔かさ、クリアーさ、鋭角さ、静けさ、奥行きと躍動感、勢い、そして限界を感じないフォルテシモがサラリと聞ける、スピーカーと耳の間に何もない、そんな感じの音になったと思う。
そして丸一日目、綺麗に広がった音に、芯が出てきた。
丸二日目、全体的にまとまって来た。
そして、丸三日目、これはいつもお世話になってる機械への礼儀だ、カートリッヂの消磁をする前に、ナミキの消磁機の端子をコンパウンドで磨きケイグで仕上げた、次に電源コンセントを同様に仕上げた、そして、ヘッドシェルとトーンアームの入り口の端子を同じくピカピカに清掃し仕上げ、そしてオルトフォンSPUの消磁をチャンネル毎に二回、そして、レコードに針を落とした。
遂に総ての音は手を結び、霧が晴れた。
これからまだまだ変化はするだろうが、ウエスタンスピリッツの絹巻きリッツ線オーディオケーブルは、アナログでもその効果を発揮した。
なかなかである。
来年新たな部屋で確認して、無料モニターも含め、リッツ線オーディオケーブルを発売予定である。