部屋が変わっても鳴り方は変わらない
これはオーディオをやっていることに於て、とても大切な事である。
どんなに部屋が変わっても、システムが変わっても、多分私はこの様な音に落ち着くのだろう。
私は実に色んなお客様の音を聞いてきた。その結果分かった事は、その人それぞれの、固有の音があると言う事である。
と、言う事は、オーディオは部屋だけではないと言う事である。確かに今回、部屋を作って変化をたくさん感じた。しかし今日お話ししたいのはそれとは別の事である。
やはり以前と似たような音になり、部屋によって音質のスケールが少し追加されたと言う事である。
確かに部屋は全く以前とは音も響きも違う。そして、電源もかなり違う。しかし、やはり私本人が納得する鳴り方と言うものが確かにあるのである。
私の好きな音は、音像が小さく静かで、ピュアでクリアー、うるさくなく圧倒的に綺麗に力強い音である。とにかく余計なものが一切ない切れの良いうるさくない音と言ったら早いのか。
太く広がりがあり、開放的で繊細な音が好きなのだ。つまり、奏者の心の叫びみたいな本音(メッセージ)を聞きたいのだ。それを余すところなく鳴らすにはどうしても絹巻きケーブルが必要なのである。
つまり私は、いつもこの音に落ち着くのだろう。みんな各々にその音を持っている、私はそう思うのである。
だからオーディオはとても難しいのだ。お客様の声にならない声を、私は言葉や態度から探らなくてはならないからである。
百人いたと仮定すると、百通りの音(鳴り方)があるのである。感じ方の違い、それをある程度平らにならすと言ったら良いのか。
人には各々オーディオはこうでなければ的なものを必ず持っている。