ノイズカットトランスが届いた
驚いた、驚異的な早さである、頼んでまだ一週間。見積もりには納期約16日と書いてあった。出掛けている間、午前中に届いていた。
父も母も、重くてただ驚いていた。
私はお相手に、自分がプロである事をお伝えした。貴方はプロなので、後はそちらでどうぞなのだろうか?
配線に夕方まで時間をかけてじっくり慎重に行った、200Vは流石に怖い、間違えたら指先が吹っ飛んでしまう。
先ずは電源を繋がずに200Vの入力迄を配線してからいったん電源に繋ぎ、出力の117Vの+が合っているか極性チェッカーであたった、OKである。
再度電源を抜き、117Vからパワーアンプまでを配線し、一つ目を結線終了。
休憩をさはみ、プリの方も同様に行った、電源を入れる前に総てを何度も神経質にチェックして電源を入れた。コンセントに差し込む時は少し緊張した。トランスは押し殺した様にグンッ!と一瞬唸り静かになった。
トランスどおしは四メートル離した、心配だった干渉は全くない。
両方とも動作オーケーであった。
先ず、エージングのCDをボリューム4で10分間かけて、次に消磁のCDをボリュームはそのままに二回再生。その後に、マンハッタン ジャズ クインテットのトリビュート トゥー アートブレイキーをCDで聞いてみた。
先ずシンバルの音が波になって押し寄せてきた、ノイズカットトランスを入れる前の午前中とは、まるで違う鳴り方である。鳴らしていて三十分位で更に霧が晴れてきた。
エージングや消磁の時から音は既に違っていたが、それにしてもなんとクリアーで柔らかく深く力強い重心の低い音なのだろうか。
私は、今までを振り返り、涙が止まらなくなった。この抗えない音に、遂に、感動したのである。
聞いて直ぐに分かるのは、高域の太さとのびであるが、とにかく静かな太い潤いのある音になった。
無理をしてでも200V30Aの単独回路を入れておいて良かった。正直ここまでの違いがあるとは思わなかった。
しかし100Vで聞いているみなさん、嘆くことなかれ。今繋いでいる100Vの音で悪戦苦闘することは、絶対に無駄にはならない。誰しもが必ず通らなければならない通過点だからである。
私もそれで随分悩んだからである。その悩んで努力した日々が、これだけの音にする方法を気付かせてくれたのである。
低磁束で容量の大きなトランスは、やはり素晴らしい、まるで別次元である。まだエージングは済んでないのにである。
これでもうはっきりした、単巻きトランスは、今やおもちゃである。
この違いが分からなければ、味噌ラーメンを食べても、醤油ラーメンを食べても多分分からないだろう、その位の差である。
やはり、ノイズカットトランスは素晴らしい、しかも単相三芯の200V電源は電気がフレッシュで綺麗である。
しかも我が家は、エアコンをはじめとする総ての他の一般家電とは完全に隔離された電源なので、尚更だったと思う。ずっとやってみたかったのである。しかし、機会と金がなかった。それに賃貸ではどうにもならなかった。
やはり200Vは素晴らしい、アンプが楽になったのをとても強く感じる。
しかし、こんな程度で満足して止まっている時間は私にはない。もっともっと上があるのである。まだ、やっと次なる扉を、私は、ただ開けただけに過ぎない。
しかし、こうなって思うのは、CROWNのアンプの素晴らしさである。
荒々しさや薄っぺらな音は全くなくなった、いよいよ戦闘モードである。
オーディオはつまるところやはり電源である。これが駄目ならばオーディオは総て駄目になる事を私は確認した。
ずっと聞いていたい、そんな雰囲気の鳴り方である。音楽が変わる、正にこの事である。
しかし最後の方に、聞いていて少しの違和感を感じた。鳴らしはじめはなかった違和感である。
何だろうこの嫌な感じは。右チャンネルと左チャンネルの音が違ってきた。