コンデンサーは馴染んできた
なぜこんなに早くムンドルフのコンデンサーが馴染んだのか?先刻ご承知の様に、かなりのパワーを入れ鳴らし続けたからである。普通は鳴らせない音量である。私は今、その環境を手に入れた、しかし、それが今回仇になった。
ボリュームは半分位上げていた、それを能率101dBのスピーカーが鳴るのだ。凄い音量である、さすがにCROWN DC-300Aも熱くなった。
コンデンサーの慣らしを上手く仕上げるコツは、エージングのCDをリピートして、音量を上げたり下げたり中間にしたり、時間によってアクセントをつけ、色んな音量でずっと鳴らし続ける事である。あまり大きな音量のままでは、慣らしが早く終わっても、パワーを入れないと細かい音が鳴らなくなる事があるからである。
とは言っても次第にそれも馴染みなくなるが、パワーの入れすぎには要注意である。
朝チェックに行くと、昨夜よりも明らかに刺がなく、滑らかになり落ち着いてきた。
修理したウーハーの音はまだ半田の影響でボケているが、かなりこなれ、しっかり動作している、良かった。
しかしオーディオは時間がかかる。お腹がすいた時にご飯を食べたような訳にはいかないのである。
これだけパワーを入れたら普通のコンデンサーならば丸一日で音は落ち着く、ムンドルフはかなり固く巻いてあるのだろう。まだまだの様である。
優れたコンデンサーはエージングに時間がかかるものである。良い音を鳴らすのと時間には関係があると思う。
本当はパワーなど入れずに普通の音量で、ゆっくり色んなジャンルの音楽ソフトを聞いていった方が良いに決まっている。左右を合わせようとモノラルばかりかけても周波数の幅が足りなくあまり宜しくはない。
しかし私はプロだ、そんなに時間をかけられない。良い子のみなさんはあまりパワーを入れすぎない事である。確かに時間はかかる、暫くしっくり来ないが、いつかちゃんと鳴るのである。
そして、私の様にスピーカーが壊れる事がある。ゆっくりエージングの時間を楽しむのもオーディオの醍醐味である。
スピーカーを向かい合わせ片方をプラスマイナス逆に繋ぐとかなり音が消え、パワーを入れる事が出来るが、これもあまりおすすめとは言えない。
ムンドルフのMcapシルバー/ゴールドとサプリームは今現在販売されてる中で。ホーンスピーカーのネットワークに使うならば、最高のコンデンサーであると思う。
「安くても音は変わらない」なんて、全くの迷信である。ここは一発、けちらないで優れた品位の高い部品を使っていただきたい。
ソフトドームのユニットならば確かにASC(アメリカンシズキ400V)は癖も少なくバランスするが、それでもやはり、ムンドルフは一味、いや二味違います。
左右の音は、部品定数がしっかり厳しく管理され、製造(誤差は2%)されている為揃うのである。
多分出来上がり測定器でのテストで、かなり弾いていると思う。だから価格が普通のコンデンサーよりも高いのではないだろうか。
ネットワークに使う限りに於いて、抵抗のDALE(消し炭色)とコンデンサーのムンドルフMcap SupremeとSilver/Goldと、空芯銅箔3.8㎜幅のDIY AUDIOのコイルは、彼方がチョイスする部品定数を間違えてさえいなければ、かなり優れている。
特にコイルは、丸い断面のワイアーを巻いたタイプとは違い、広い周波数に渡り音に飽和が少なく、素直な音である。銅箔の3.8㎜幅とは12AWG相当になるのである、かなり太いワイアーケージである。
しかし私は、ムンドルフの0Ωコイル、鉄芯のタイプも実際使い認めている。ガッツがあり芯のある現実的な音である。
今も所有している。
とにかくネットワークは、なかなか答えが出ない地獄の一丁目である。しかし私の様に粘着質に作って行くといつか答えは出る。
ここまでやってみてマルチに変更するならば話しは分かる。しかしマルチもまた更なる地獄の一丁目である事は、過去の経験から間違いない。
しかし、散々地獄を味わい、ここまで鳴らしてなお、答えのないのがLCネットワークではないだろうか。
ユニットとユニットを繋ぎ合わせ、同次元で聞いてる位置で合わせる、これは大変な事である。
そして更にはそれを様々なソフトを聞いて総てを上手く鳴らす、しかもそこには様々な時代やレーベルの音もジャンルもある。
オーディオは仕事にすると大変である。私はそこに深く首を突っ込んでしまったのである。休まる時がない。
しかしまだ何かおかしい、ずっとマイナスのワイアーをからげて留めているだけの所が気になる。そこもそろそろかな?