ortofon SPUA/Eを裸にしてみた。
この実験とその感想は私の主観であり、総ての方が同じ結果になるとは限らない。
私のSPUは、カンチレバーに貫通している極薄ラバーが破れていた、ついでに被っているプラスチックのカバーも外し、残っていたラバーはピンセットで取り去った。
トーンアームのインサイドフォースキャンセラーをいったん外し、ゼロバランスも調整し直し、正確に針圧を3gに合わせた。
私は昔同じ事を何度もやっている。しかし、その時はシステムのエネルギーロスが今よりあったのか、音のバランスは崩れ、明るく跳ねた様なうるさい音になった。
しかし今はもう大丈夫だろう、そう思い聞いてみた。鮮やかなのだが音は明るくはならなかった。
スピードが早くなり、太く濃厚な方向へ変化した。余計な音がない、しかし、良い子のみなさんは真似をしないでいただきたい。立派な改造になるからである。
私のシステムは極端に接点が少なく、周りがしっかりしているからこうなったのである。
つまりオーディオのやり方が普通ではないからこの様な鳴り方になるが、普通はなかなかこの様な結果にはならない。
音の性格は現代のコントラプンクトbの雰囲気になる。しかし気品が違う、やはりSPUは素晴らしい。
そして何故この様な音になり得たのかやっと分かった気がする。私はターンテーブルの下にCDからの電磁波対策をしている。CDプレーヤーは電源を切っても、電源コンセントから抜いても電磁波が出ているからである。
何が決定的に違うのか、それは音のスピード感である。とても早くなり、二本のスピーカーの間に定位する音像が小さくなったのである。
では何故私がこんな事をしたのか?型番は忘れたが現代のオルトフォンに、この様な形の商品があるからである。
特に違うと感じるのはシンバルの音の気高さと、ウッドベースやバスドラの本当に低い音階の沈み方とそのスピードである。
そして音が晴々していて伸びやかでしなやかである。実に開放的である。しかし、静かなのである。
勝手に言わせて頂ければスケルトンである。少し時を経なければ真価は問えないが、周りがしっかりしていれば、かなりの音である。