オーディオは良い趣味である
みなさん、オーディオは様々な趣味の中でも特に深い、そう思いませんか。
私はオーディオと言うフィルターを通し、実に様々な人と出会ってきた。そして、その総ての出会いを克明に記憶している。
そして、私は駄目な自分に気が付いた。自分は最高だと思って、生きていけるならば、それは、さぞ素敵な幸せな人生だと思う。
私も過去はそうだった。しかし、オーディオに深く首を突っ込めば、突っ込むほど、何にも分かっていない自分に気が付く。
それは視野が狭いからである。広い見聞録をもった人は、とても謙虚で貪欲である。私も遅れ馳せながら、そうありたい、そう思った。
私のお客様に、超有名店のラーメン屋さんの大将がいる。その方はこう話していた。「最近の弟子は、基本が出来る前にレシピばかり知りたがる」と言う、何となく言いたい事は分かる気がする。
見て盗めとか間違えた教えがある。しかしそれは違う、やっぱり心なのである。お店に来たとき、自分ならばどうして欲しいのか、それを考えれば自ずと答えは出る。総ては基本である。
よってカウンター外のホールの仕事や、洗い場の仕事をしっかり出来れば、スープを作らせても、麺を茹でさせても、他の人よりも早く出来る様になるものなのだそうである。または覚えが早いと聞いた。
同感である、ケーブルも同じだと思った。例え自分で気に入らなくても、お客様が良いと言えばそれがベストなのである。
しかし、味噌ラーメン専門店を塩ラーメン専門店にいきなり変えることは出来ない。そこは少し話が違うが、極論購入され、使われるのはお客様である。
お客様が駄目だと言われるならば、やはり駄目なのである。そう言われると切れて「貴方はオーディオを分かっていない」と話す製作者も中にはいらっしゃるが私は違うと思う。
送り返されたモニターケーブルの試聴結果を読み、聞いてみて、何故悪かったのかを探る。そして今のウエスタンスピリッツのオーディオケーブルは進化してきたのである。
以前は、一ヶ月モニターされ、感想と共にただ送り返される事が多かった。しかし今は、送り返そうと一旦外し、ご自分のケーブルに戻すと「聞けなくなってしまった、このまま繋げておきたいので、現状のモニターケーブルをそのまま購入したい」と連絡が来るようになった。
誠にありがたい事である。
以前のケーブルモニターの結果は、さんざんであった。こちらはプロなので言いたい放題言われる。
しかし、思った。購入されるお客様がそう感じたのである。意見を吸い上げ、地道に改良を重ねた。お客様が分からないケーブルなど必要なし。私はそう思った。
モニターしているのだ、音は激変して当たり前である。こんな事に深く関わっていると、オーディオは実に深く味わい深い。
オーディオに限らず、世の中総ては、みな同じである。楽な路など、どこにもない。極論、綺麗事ではない、良い物を作りお金をいただく。人生最後は、勝つか負けるかである。
深いね、オーディオは。