新たなケーブル研究
以前、ウエスタンスピリッツは、0.6㎜単線四本をホットとしたケーブルが優れた音と定めた。
そして、そのホットのケーブルを雛形にして、リッツ線の音の良い素線の径と本数を割りだした。そして、ウエスタンスピリッツオリジナルリッツ線をオーダーした。
それには、先ず0.6㎜単線一本の断面積を求めた、0.2826㎜である。そして同じく表面積を求めた、1.884㎜である。
そしてウエスタンスピリッツは、リッツ線を作るにあたり、何㎜の素線の太さが、音質変化の限界なのかを調べた。結果、スイッチング電源を設計されている仲間から、かなり正確な情報を得た。0.12㎜単線が細さの限界で、それ以上細くしてもあまり効果がないとの情報を得たのである。
そして、自分の耳で色んな太さで実際に聞いても確かに0.12㎜が細さの音に対する限界と感じた。
そして、0.12㎜単線の断面積を求めた、0.011304㎜だった。次に表面積を求めた、0.3768㎜だった。
そして、0.6㎜単線と同じ断面積にするには、何本の0.12㎜単線が必要なのかを求めた、25本だった。しかし音は計算どおりにはならない。なので素線を増減して聞いてみた。かなり迷ったが、耳では二本増やした27本がベストと思った。
そしてウエスタンスピリッツは、0.12㎜単線27本を0.6㎜単線と定めた。そして、それをメーカーに発注した。それを四本、つまり0.6㎜単線を四本捩ったのと、ほぼ同じ断面積とした。
その素線の合計本数は108本となる。しかし、ここからがリッツ線の優れた理論なのである。
0.6㎜単線四本の合計表面積は、7.536㎜である、しかし0.12㎜単線は108本である、元にした0.6㎜単線の合計表面積は7.536である。それに対し0.12㎜単線を108本の合計表面積は40.6944である、この差は誰がみても明らかである。
しかし108本、何か感じないだろうか?人の煩悩の数である。総てを網羅するとは言えないだろうか?数字は合わせていけば、なぜかこじつけが出来る。
話しはそれたが、つまり0.6㎜単線を四本に対し0.12㎜単線を108本、断面積は、ほぼ同じなのに合計表面積は、なんと5.4倍になったのである。
さて、なぜこの様な計算が成り立つのかであるが、オーディオは交流である。交流信号は高い周波数になるほど、インピーダンスの低い素線の表面を流れる性質があるからである。
では、素線の中心部分で何が起こっているか呟く。隣り合ったホットとグランドの線は、電気が流れると互いに反発しあう。そこに磁界(電磁誘導)が発生し、その影響で素線の中心部分はインピーダンスが高くなるのである。
だから高周波になる程、インピーダンスが低く、流れやすい素線の表面を音楽信号は流れようとする性質があると教えられた。しかし、その表皮効果は全帯域に及んだのである。なので出来る限り素線を細くして、数を増やし、表面積を増やしたいのである。でもそこには素線の細さの音質に対する限界があったのである。
総ての素線が導通するのは、最初と最後にピン端子や接点と繋がるところのみとなる。
一本一本に被膜がなければ全体が導通してしまい、先の0.6㎜単線四本と同じになってしまう。
そして、その0.12㎜単線を27本で一束になっているリッツ線に、ある事を施してみたのである。研究段階なので、マイナス面も考えられ、内容をお伝え出来ず、申し訳ない。
実験は行う前から、そこそこの答えは出ているが、やはり考えたとおりになる事はないので、実際にやってみる必要があるのである。
その効果を認めているオーディオメーカーはたくさんある。しかし使い道がなかなか難しいのだろう。同じ事をケーブルに施したメーカーは多分、ウエスタンエレクトリックがコンソールに使用した一部のケーブルだけだろう。
オカルトでも何でもない、何処にどの様に使うのかで全く違う効果となり、そこには結果を出す正しいセンスと更なる研究が必要になる。
やはり、使いどころをしっかり分かってないと答えはでない。
さてどの様な答えが待っているだろう。これから研究製作開始である。