ウエスタン25Cアンプ
外観を写さない条件で撮影させていただいた。とても変わった形をしていて、庭にでも置いてありそうな形をしている。とてもアンプとは思えない。
これは、白黒写真ではない。カラーで現物を写したものです。上手く写らなかったが、このトランスにはいったい何が塗られているかご存じでしょうか?
多分煤である。煤をにかわか脂か蝋等と配合した様なものが、絹巻き線に真っ黒に染み込む様に複巻きトランスやその他のワイアーにも塗られている。
固める為ではないと思う。何故ならばウエスタンエレクトリックが存在した時代、もうラッカーやニスの様なものは既に存在していたから。固める為だけならばそちらを染み込み込ませる様にするでしょう。
このアンプはとても優れた音質を持ち、太く鮮やかな甘さのない音質です。そして、音の周りに付く余計な音は、一切ありません。
当時は、モノラルだった為、ステレオとして二台使用する事を狙ったものではないが、モノラル構成になる為、とてもチャンネルセパレーションに優れています。
私は以前このトランスからほどいた線をばらしてケーブル製作依頼をされた事があった。
ほどいていくと、手が真っ黒になったのを思い出した。この素線で作ったケーブルは
鮮やかで重量感のある音がした。
しかしアンプ自体がとても優秀な為、このトランスは余程ジャンクな状態でない限り、外され単独で販売される事はないと思う。二台で二百六十万円のプライスが付いていた。
しかし、ウエスタンエレクトリックとは凄い会社である。現代の最先端テクノロジーをもってしても、ある意味未だに追い付かない。
現代のオーディオは、部品の精度やスペックにばかり拘ってないで、一度原点に帰るのも一つの道ではないだろうか。現代のアンプは音が薄すぎる。
ウエスタン25Cアンプを見ていてふとそう思った。