オーディオ機器の改造
本質をしっかりご理解した上で、確実に行えれば構わないと思うが、大体はご自分で行った事による自己称賛が殆どである。
ウエスタンスピリッツが行った様々な改造もそうかも知れないが、アナログプレーヤーのキャビネット制作や、トーンアームの交換、またはトーンアームの内部配線交換は、少しでも入り口である所をエネルギーロスなくしようと行った、エネルギーロス対策である。
その結果MCヘッドアンプ迄で、ウエスタンスピリッツのアナログの音は殆ど決まったと思える。
後の所はプリもパワーアンプも、スピーカーが再生出来る迄音楽信号を増幅するだけである。
悪いものを増幅するから良い音にならない。これは当たり前の事である。皆さんも輸入盤のレコードを購入される筈である、日本盤に比べ音が自然でクリアーだからではないだろうか。
私から言わせればそれと同じである。音の悪いレコードを上手く再生することは出来ない。しかし、私は少し違う。
こう思った、音の悪いレコードは、本当はあまり存在しないのではないだろうか?こちらの腕がなく、どこかで間違えた再生をしてるからだ。
そう感じたのである。
でも世の中には、かなり特殊な考えをお持ちの方がいらっしゃる。所謂一つの事に凝り固まっている。そして、その方法を人に押し付ける。これはちゃんとした理論のもとに成り立っているから絶対に良いと。
その通りに行った結果、良い効果に繋がった事は私の場合一度もない。
ウエスタンスピリッツのシステムをご試聴された方のご指摘は参考になる。しかしその対策方法は、大体が間違えている。
ウエスタンスピリッツの考えはこうである。振動や付帯音を感じた場合、その対策としてブチルゴムや柔らかいもので振動や付帯音を打ち消すのではなく、素早く下に余計な振動や付帯音を逃がす事が大切である。
だから下に木材なのである。適度に目の詰まった響きに優れた木材を下に敷く事により、振動や付帯音を変化させるのである。
どんなに固い木材でも、木材は適度に内部損失があるから優れているのである。ゴム系は柔らかくボヨボヨしている為、振動や付帯音が下に逃げる事なく、その中で振動や付帯音を吸収してしまう。なので美しい響き迄失ってしまう。
それ故、固さのある、内部損失が適度にある木材が優れているのである。
振動や付帯音は木材で下に素早く逃がす事が出来る。オーディオに塗る場所をわきまえ、ある素材を塗ると確かに付帯音は減る。しかし、その結果、楽器やホールの美しい響きまで吸収してしまう事が分かった。
今あちこちに塗った素材を出来る限り拭き取っている。過去には良いと思ったのに、今は拭き取れば拭き取るほど音が自然になってくる。
しかし困ったのはウーハーである、コーン紙に塗った素材は、ニカワが配合されており、染み込んでしまって拭き取る事が出来ない。
大損害である、ウーハーはもう交換するしかない。後付け改造するとは、こういった事で、必ず現状復帰出来る事が大切である。
総ての後付け改造は汚なくなりあまり効果はない。あまり余計な事を完成品に施してはならない。
ツィーターの振動板は何も塗らなくて本当に良かった。綺麗に復帰出来た。塗ってしまったものを拭き取ったツィーターは明らかに情報量が増えた。
ドライバーのダイアフラムUSAラジアンも裏ぶたも、ある素材を塗り、リブを付けていたものからノーマルに交換した事で、音がのびのび自然になり、歪む事がなくなった。こちらも当然、情報量が格段にアップした。
ならばウーハーだって同じな筈である。ウエスタンスピリッツはもう安易な後付け改造は二度としない。
オーディオは後付け改造で音が劇的に改善する程簡単ではない。その素材は確かに劇的に音が悪く改善された、ウエスタンスピリッツでは改善効果はなし。