ラジアンのダイアフラム
ウェスタンスピリッツのドライバーはJBL LE85である。私は数年前ダイアフラムをメンテナンスしていて、よく有りがちなミスをしてしまった。
どんなミスかと申しますと、外す時にドライバーが振動板に吸い込まれてしまったのである。振動板は見事へこみ、どんなに裏からしごいても元には戻らなかった。
そしてLE85のインピーダンスのばらつきとレスポンスの低さ、そしてわずかな歪みが嫌になった。
その音がJBLの魅力なのかも知れないが、左右のばらつきが嫌になり、ネットを検索していた。するとヘラ絞りダイアフラムラジアンにヒットした。
販売されてる会社に連絡をしてみた、JBLと違いレスポンスに優れ、一つ一つのインピーダンスも厳密にチェックされ出荷されてるとの事だった。
そして振動板がハンドメイドによるヘラ絞りとの事。JBLのアルミ振動板は機械で高圧プレスされる為、真ん中が分厚く端に行くほど薄いとの事だった。
ラジアンはハンドメイドのヘラ絞りの為、中心から外側にしごいてつくる為、真ん中が薄く端に行くほど分厚くなっているとの事だった。
簡単に、進化したメカニズムを理解出来た。紙でもブラスチックでもそうだが、両手で端を持って上下させると、真ん中が分厚く重いと端が薄いため中心がたわむのである。
反面ラジアンの様に真ん中が薄く軽いと端が分厚い為、たわむ事が少ないと理解出来た。
そしてラジアンはエッヂがマイラーエッヂである、薄くて軽くて余計な振動を起こさず付帯音が劇的に少ないと推測出来る。
そしてネジで三点留める貫通穴の下にJBLオリジナルは極薄いアルミの板が張り付けてあり、そこから空気を抜く事で高域をのばしていると思う。
ラジアンは底にそのようなスペーサーはないが、その代わりにエッヂに六つの穴が空いている、その方が振動板に付加をかけずに空気をスムーズに後方へ抜く事が可能なのである。
よく考えて作られてると思った。そして納得した私は即ペアで注文したのである。聞いた音は話すまでもないが、端正でLE85が生まれ変わったかの様に左右の音はしっかり揃ったのである。
ステレオである以上、左右の音が揃うのは、良い音を鳴らす為の条件の一つである。
ここまで観察された方はなかなかいらっしゃられないと思うが、やはり観察するとなぜ良いのか悪いのかが分かるものであり、しっかりとした理由が存在するのである。
ただ聞いただけで良い悪いではなく、よく観察することが大切である。
ラジアンのダイアフラムは、JBLオリジナルよりも遥かに優れている。