ウエスタンスピリッツのオーディオ構築、スピーカーユニット
先ずはドライバーJBL LE85のダイアフラムである。
オリジナルではなく、USAラジアン ヘラ絞りのタイプに交換してある。JBLオリジナルダイアフラムよりもレスポンスに優れ、インピーダンスも左右の特性が揃っているからである。
これはステレオ再生にとって、とても大切な事である。
そして、個人的にJBLの入力端子(バネ)が嫌いなので、外し、その穴から新たに製造したリッツ線のスピーカーケーブルを引き込み、ダイアフラムの入力のリード線と直に半田で留めている。当然穴の隙間は埋めてある。
こうする事でエネルギーロスを抑え、JBL独特なシャラシャラした音がなくなり、腰の座った中域と弾んだ低域が構築された。この改造は高域に迄影響が及んだ。
しかし、反面デメリットがある、リード線を、留めている入力端子から外すため、リード線を切ってしまう可能性がある。良い子のみなさんは真似をしない方が身のためである(笑)
次はウーハーJBL130Aである。先のドライバー同様に入力端子が嫌いなので外し、リード線を端子から外し、引き込んだリッツ線のスピーカーケーブル端末をリード線と直に半田で留めてある。
ドライバー同様やはりかなりのエネルギーロスが減り、低域が分厚く音階が下にのびた。ウーハーの改造もその効果が中域や高域まで影響した。この方法もリード線から熱が伝わりリード線が外れてしまう可能性があり危険である。
オーディオは三位一体、どこかが甘いと全部駄目になると知った。
最後はツィーターである。JBL075や077やコーラルやフォステクス等、他も名機を多数使ってみたが納得出来ず、人伝に聞いたテクニクスのEAS‐9HH42を使用している。
振動板がチタンで、付帯音が少なく、切れが良く、とても優れものと判断している。
音に芯があり奥行きがあり、高い帯域が最後まで潰れずに、強く前に出てくる、今はもうなくなった音質のツィーターである。このツィーターは分解出来ないので無改造である。
しかし、この三つのユニットを上手く違和感なく繋げるのはとても難しく困難だった。
途中何度も諦めかけた。でも、なぜだか絶対に鳴らす自信だけは最初からあった。
私から言わせていただけると、どれも極普通のありふれたユニットだと思うが、普通に鳴らしていては、今の様にやはり普通のレベルを越える事はなかっただろう。
「ならば誰もやった事のないところまでやってしまおう」そう思い徹底的にやってみたのである。
このユニット構成が成功した一つの理由は、多分ウーハーとツィーターの能率が同じ101dBだった事が挙げられる。
アッテネーターが必要ないからである、音はフレッシュそのものである。
そして、ウエスタンスピリッツは、総て静電容量の極少い、優れた引き締まった絹巻きリッツ線のスピーカーケーブルで配線されている。
オーディオは最後、ケーブルで音が決まる、これだけは絶対に間違いない。
今目の前で、USA Galaxy盤のアート・ペッパー ウィンター・サマーがとても広く素敵に鳴っている。ウーン、excellent!