英ちゃんの頭の中
今日は、オーディオとは関係のない母のお話しをします。退屈でしょうが、暫しお付き合いいただけたら幸いです。
母は認知症なのかも知れません。五~六年程前から少しずつ進んでる気がします。
特に大変なのは、一階で共に暮らしている父です。母は朝起床すると、どこかの痛みを探し、それを一日中、父に訴えるのです。
腰がいたい、腰がいたいから頭が働かない、右側はなんともないけど左側がおかしい、頭がおかしい、左目が見えづらい、辛い、死んだ方がましだ。
でも多分、その痛みは本当はないのです、痛みを作る脳、私は嘘発見器みたいな事が出来るので、母を問診してみたのです。
すると一時間後、母の口からポロッと「痛い訳ではないよ」この言葉が出たのです。
母は言った事すら覚えていません。しかし、はっきり言ったのです。
この頭で作った中の一つの事柄を、一日中ずっと父に訴えるのです。つまり、今の母は、見ていて自分そのものがなくなってる気がするのです。日によってその症状の度合いが違います。
昨日もあまりに同じ事ばかり話すので、父は切れて、あまり歩けなくなった足で、三階の私がケーブルを作ってる部屋まで上がって来たのです。
余程酷かったのでしょう。父はそんな人間ではないのです。それに、三階まで上がって来るには相当しんどい筈なのに。
そして、人伝に聞いていた、国立の検査センターへ検査の予約を入れたのですが、五月の一日が一番早い予約との事です。仕方がありません予約を入れました。
もう笑顔もヘラヘラしてるし、具合が悪い時は、額にしわを寄せて睨み付けて来ます。そして、永遠と同じ話を繰り返すのです。でも今の状態はまだ初期と私は判断しました。
私が、二つの事柄を会話しても、放った言葉の内容を、ストーリーとして組み立てる事が出来ないのです。なので帰って来る話は頓珍漢な事ばかり。
まだ、初期の段階だとは思いますが、早くどの程度、脳の萎縮が進んでいるのか調べていただき、何とかしないと、父が壊れてしまいそうです。
でも、私はそんな母を怒鳴り付ける事だけはしないようにしています。病気だから仕方がないのです。分かってない事を分かってないのですから。
いくら言っても五分と覚えていません。なので伝えても出来ないのです。聞いてあげる事しか出来ません。
しかし、私にとって一人しかいない大切な母なのです、絶対に見捨てる事は出来ません。