絹&リネン巻きリッツ線
私は言わずと知れた、ハンドメイドオーディオケーブルを作る職人です。
糸を強く隙間なく綺麗に巻いて作るのですが、利き腕である右手の人差し指の先端の外側に固いマメが出来る迄は、泣くほど痛いのです。
かといって痛いからと、休むとまた柔らかな皮膚に戻ってしまうのです。
しかし、痛みを我慢し気を抜かずに作り続けていると水ぶくれが破れて、下にしっかりした皮膚が形成されるのです。
こうなったらいくら巻いても平気になるのです。今までにたくさんの方が弟子になりたいと、ウエスタンスピリッツの門を叩いたのですが、一人としてその痛みに耐えきれず、ウエスタンスピリッツを後にしました。
器用とか不器用でなく、心で理解しないと、ウエスタンスピリッツのケーブルを作る事は出来ないのです。
和紙を巻いたり帯状の生地を巻いて作ってらっしゃる方をお見かけ致しますが、総て私も通った道で、ウエスタンスピリッツケーブルにはなり得ないのです。
では何故駄目なのか?ですが、絹糸やリネン糸を巻いた様に素線に強く密着させられないからです。
そして、綺麗に隙間なく強く巻き付ける事で、音の精度が決まるのです。
何故絹糸やリネン糸を巻くと音が良いのか?ですが、迷走電流が少ないのも一理あるのですが、ケーブルはスピーカーが発するエネルギーで振動するのです。
絹糸やリネン糸を巻いても振動しますが、他の外被と比べ、余計な振動を減らし、付帯音が少なくなるからです。
リッツ線の理論も確かにあるのですが、ウエスタンスピリッツのケーブルが何故他のケーブルと比べ違うのかは、その外被と作り方にあるのです。
やはり、日々のたゆまぬ努力と技術は、ハッキリと音に出ます。私は左右ペアが巻き上がる迄、絶対に手を止めないのです。
ハンドメイドの為、常に全く同じ作品を作る事は出来ませんが、出来る限りの努力をしているのです。
私は、自分に誇りは持っていませんが、糸を巻き付ける技術に絶対的な誇りとプライドを持っています。
今は在庫が総てなくなってしまいましたが、ある程度の数がまとまりましたら、このblogで公開し、モニター応募を募ります。
絹糸外被の音の特徴は、少し響きが付く事で綺麗な透明で滑らかな音が特長です。
それに対しリネン(麻糸)外被の音は付帯音が絞られ奥行きと低音がグッと前に出てくるのが特長です。
みなさん、ウエスタンスピリッツを宜しくお願いいたします。