医療に出口はない
今日はオーディオのお話しではなく両親の医療のお話です。
結局、医療に答えはないのです。「現代の医療とは」などと語るつもりはもうとうありません。
恨みつらみもありません、つまり本物の病気が見付かった時、これからどうしたいのか決めるのは、患者本人ではなく、家族が決めると言う事なのです。
アルコール性肝硬変と腎臓機能の低下、そして蛸壺(たこつぼ)型心筋症(心臓の下の方の動きは普通で上の方の動きが悪い)の父は、今年86歳になります。
アルツハイマー型(症状は今は軽い)の認知症の母は、82歳になりました。そこで我々夫婦は考えました。
父は、もっと痛く辛い検査をすれば、確かに病気の根本的な原因が分かると思いますが、分かったとして、その治療や手術に耐える体力は、もうないと判断致しました。
母は、今年82歳になりました。今更、ここまで進んだ認知症が完治するとは到底思えません、元々アルツハイマーは治る事がないと聞きます、薬で進行を遅らせる事しか出来ません。
父は頭は聡明ですが、体が老いました、母は、体は丈夫ですが、頭がどうにもならない。つまり、お互いもう治る事はないのです。
であれば、そっと見えないところから手を添えて、やりたいように、生きてほしい、私達夫婦はそう決めたのです。
体を切り刻まなければ治らないのであれば、そんな事はせず、我々夫婦は両親には、最後まで今の自分を楽しく残された時間を生きて欲しいと願います。
医療は、残された人達の為にある選択肢の一つである、私はそう思います。