YAMAHA GT750
三年程前まで使っていた、ターンテーブル本体はアルミ削り出しで肉厚になっており、他のターンテーブルよりはサイズがふた周り程大きいため、慣性モーメントに優れている、これをピカイチに蘇らせようとしたのである。
しかしかなり欠点がある、一つはグランツが製造したと思われるトーンアームである、支えが甘く結構グラグラで、トーンアーム自体の回転精度がいいとはいえない、このままではエネルギーロスを起こしている。
次に支えるキャビネットである、コストの為か、安っぽいMDFボードで作られていた「これは音に影響するな」そう思った。
もう一つは電源トランスである、ターンテーブルを回転させず、レコードにカートリッヂを乗せてボリュームをあげてみた、すると唸りがスピーカーから聞こえた「間違いない電源トランスの唸りだ」改善しなければならない。
この三つの対策をすればかなりの代物になるはずだ、そう思った。
赤タモ(ニレの木の)集成材(厚さ3センチ)の板を購入して来て、ジグソーとボール盤を使い、丁寧に加工した。
トーンアームはオーディオテクニカのシンプルな名機をチョイスした、その時トーンアームを取り付ける板のところだけは、裏にチーク材の3センチ厚さの板を貼った、チークは余計な響きが少ないからである。
本体のキャビネットの板に取り付けてあった電源トランスは外して、一メートルの距離をもたせ完全に本体と隔離して角材にしっかりと固定した。
総て取り付け聞いてみた、穏やかな底力のある堂々とした音になった。
これも改造になるが、とても感動した、しかしこの改造は気に入らなければすぐに現状復帰が出来る。
トーンアームの内部配線はウエスタンスピリッツのリッツ線に交換した、端末処理も完璧に行った事は、今更話すまでもないだろう。
言いたいのは、何をどの様に料理するのかである。
今は大切なお客様に差し上げたが、今をもってしてもとても優れたアナログプレーヤーだった。
もう一つ、キャビネット下のゴム製のインシュレーターは外し、選んだ響きの良い木材のキューブを敷いた。
アイドラーやベルトや糸ドライブが人気の中、私はそれらを否定し、今はダイレクトドライブ党である。
こうした努力は購入したtechnics SP‐10Rを使いこなす上に於いてとても必要な事なのである。
SP‐10Rは更なる化け物である、人生最後とターンテーブルと決めた、何とか鳴らしたいものです。
YAMAHA GT750よ、本当にありがとう。