アルテック620B
アルテック620Bは上手く鳴らす事が出来れば、名機だと思う。
しかし、JBLのような、楽器の周りに空気をまとったようなものを、あまり感じない、それが楽器を浮かびあがらせる気がする。
アルテックは付帯音が少なく軽やかとも言えるが、やはり個人的にガッツが足りなく、物足りない、当時の私がまだ力不足で上手く鳴らせなかっただけなのだろうか。
よくJBLと比較されるが、あまり上手く鳴ったJBLもアルテックも私は知らない。
アルテックの音には一貫した軽やかさがあり、マイルドでフワッとした雰囲気がある。
アルテックファンにはその辺、上手く鳴らしてほしいと思います。
二十年程前、オリジナルのアルテックA-7がひょんな事から手に入り、使っていた事があった。
ホワンっとしていて確かに本物の楽器の音や、スピーカーからはがれるような女性ボーカルを聴く事が出来たが、切れ込みのようなものが浅く、どうしても馴染めなかった。
そしてそのA-7を手放し、少しの時を経て、私は再び今のJBLを揃えた、届いた日、家内は一言いった「やっぱり良いね」私も思った。
そしてこう思った「オリジナルアルテックA-7は貴婦人的、JBLは総じて男性的」に感じると。
これは私だけが感じる事なのかもしれないが、アルテックは丸い音で安らぎを、JBLは鋭角な音で力をもらえる。
620Bもたくさん聴かせていただいたが、お腹いっぱいにはならず、鳴らすのが難しい。
しかしJBLはじゃじゃ馬でなかなか意図した音にならなかった、最近やっとJBLからも癒やしの音が聴けるようになったと言わざるを得ない。
ならばアルテック620Bも同じと言える、 簡単に上手く鳴るスピーカーとは思えない。
アルテック620Bの音?本当はそんなもの初めからないような気がする。
とにかくオーディオは難しく、なかなか意図したように鳴ってはくれないようである。