特定の楽器が際立つ時
全体を司る何かのバランスが崩れていると思われる、特定の楽器だけが際立つような鳴り方をしてるときは要注意である。
特に聴き分けが難しいのが、弦と合わさった木管楽器です、楽器そのものが鳴ってるようなシステムが殆どですが、それは違います。
確かに楽器が鳴った音を録音してる訳ですが、周りの空気や響きと調和して、総ての楽器に包まれるように、優しくバランスを伴って聞こえないのが生との決定的な違いです。
その雰囲気が聴こえないと、品格や優しさは鳴らないのです。
優しさは究極の厳しさの中から染み出るように聴こえる、これを過去に書きました。
つまり楽器の固さや質量、鳴った時、周りの空気に包まれたような倍音が鳴らなくてはなりません。
クラシックの鳴り方が理解出来てくると、ウィーンフィルの木管楽器の溶け込んだような柔らかくもクリアーな音を再生したくなります。
木管楽器は溶け込んで聴こえますが、具(つぶさ)に聴いてると、一つ一つの楽器はしっかり分離しているのですが、総ての楽器の音と合わさり調和しています。
総ては、帯域バランスを調整出来る能力にかかっています。
何かの楽器が際立って鳴る時、どこかの接点がエネルギーロスを起こしているか、スピーカーの帯域バランスが接続ミスなどで崩れている可能性大です。
こう書いている私もたまにその状態に陥ります、人間である以上、ミスはつきものですが、早く原因をつきとめたいものです。
よくあるのは左右のスピーカーの接続ミスです、もっと分かりづらいのは、複数あるユニットの中の接続ミスです、比較的ウーハーは分かりやすいのですが。
ドライバーやツィーターの片方だけの接続ミスです、気がついて直すと、ハッキリ分かります。
人間は「自分はそんな初歩的なミスをする筈はない、しっかり繋いだ筈」これが結構多いのです。
お客様のオーディオクリニックで伺い、何度経験したことか分かりません。
しかしドライバーだけ、ツィーターだけが間違っていても、生業の私でも、聴いてみてどこがおかしいのか、なかなか分かりません。
出力端子、入力端子をケーブルごと追っていくしかないのです、たまには接点を磨いてみたり、端子やケーブルを追ってみてみませんか。
大掛かりなシステムは大変ですが、一度総てのケーブルを抜いて、接続し直してみるのも、 一つの方法です。
今日の珈琲は竹園ブレンド、流石、珈琲に精通した方がブレンドしたものである、総ての豆がバランスよくブレンドされている、さあ今日はこれからお仕事で外出して来ます。