母の事

このお話はアルツハイマー型認知症を発症し、今は離れた施設へ入っている母のお話です、少しお付き合い下さい。

水曜日の夕方、知らない介護関係の方から、家内の携帯に連絡があった。

こんな内容です、去年の九月から車椅子が必要になり使うようになった、我が家は一割負担なので、毎月千五百円追加になります、その書類をお送りしてよろしいでしょうか。

と言う内容だった、今は三月である、その間、我々は母が転倒したり、手術をしたりで何度も施設へ伺っている。

支払わなければならないものは支払わなければならない、それは確かである、しかし何故、今まで何の連絡もなしに、車椅子を追加したのかである。

何度も遠い施設まで車で行ってるのに…
最近、色々な詐欺が横行している、一旦、電話を切って、施設へ確認をとってみた。

すると介護用品は確かに施設にあるわけでなく、レンタル会社から借りてる事が分かった、母の担当のケアマネさんが必要だと依頼してくれたらしい。

話は分かった、しかし去年の九月から何故、今まで連絡一つないのだろうか、ここが論点だが、お世話になってる施設には感謝してるので、本来、納得は出来ないが、我々は先方のお話をのんだ。

話は変わりますが、去年、脳外科の手術をうけてから、母の認知症は更に進み、おかずをティッシュにくるみ、春巻きのようにして食べようとしたり、見守りが必要になった。

しかし、もう歩く事がなくなった為、足腰が弱り車椅子から立ち上がる事が出来なくなった為、徘徊はなくなったみたいである。

パンツやオムツの請求書の数を見てビックリした、毎日四枚から五枚平均で交換してる事になる、施設の介護士さんは慣れてるとは言え、大変であるが、在宅介護ではもう無理である。

それにしても介護度の設定は市区町村により、細かく区分けされていて全く待遇が違う。

在宅介護の時は、要介護1しかとれなかった、しかし施設へ入り数ヶ月で一気に要介護3に跳ね上がった、と言う事は母の介護度は既に要介護3になっていたとは思えないだろうか。

デイサービスを使ったりすると、その時は劇的に進歩したようにみえる「ひょっとして」と思った、しかしそんな期待は裏切られ続けた。

認知症の症状は日増しに進み「もう限界」と思った。

例えばファミレスへ行って会計の時「五千三百円です」と言われると、とりあえず五千円札を出す「三百円足りません」と言われると、少し考えて再び戻した五千円札を出すのである。

つまり能力が低い訳でなく、覚えられないのです。

この状態なので、大きな声で優しくゆっくり伝えるとかは、全く意味がありません「怒ってはいけない」良く言われるが、世の中総て約束事で成り立っている、お世話してるこちらは責任重大。

例えば母のマッサージの予約時間が、午後の三時だったとする、その時間に母を連れ出すには、一時頃から支度を始めさせなければならない。

しかしそんな時に限って、普段理解出来ない筈の時計を見て「まだ早い間に合うように支度するから大丈夫」こう言う。

安心して離れると、布団を敷いて寝ている、そんな事を頻繁に繰り返していると、社会や病院や色々信用がなくなり、一言、言われてしまう。

内科と歯医者さんはさじを投げられてしまった、当たり前である、予約で空けていたスケジュールが母の為に抜けてしまうからです。

私は自営である、母のおかげでどれだけの損害を被ったかしれない、しかしそんな事を母に諭すように伝えても、狂ってしまってる為、全く伝わらない。

しかし、怒ってはいけないと言われても、伝えなければならないことは、言わなければならない、しかし関係ない第三者がみると、怒ってるようにみえるのだと思う。

何時も笑顔で優しく、これが理想なのかもしれないが、実際にやってみると分かる、そんなに簡単なものではない。

これら総てを理解し、責任もって預かっていただいてる施設には感謝である。

真面目な話し、私は何度も母に手が出てしまった。

ここに越してきてずっとこの状態、しかも父の介護も重なった、何にもする気がなくなった。

色々考えると、車椅子の請求などお安いものだと思った。

それにしても在宅介護は、親子が故に醜くなってしまう。

世の中には我々よりもっと大変な方々がいらっしゃる、このブログが何かの参考になることを願います。

諦めないで、必ず道はひらけます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です