アンプで音は大きく変わらない
私はオーディオに携わって四十年になります、今年で58歳になりました。
新旧安価なものからかなり高級なものまで真空管式を含め、実際に購入し聞いて来ました。
パワーのあるものは底力のあるような気がして使ってみたこともありました。
しかし違うのです、パワーのあるアンプ程、拍子抜けするほど、おとなしく穏やかです。
しかしGAS(グレートアメリカンサウンド)やCROWNは音が鮮やかで信じられない程、太く骨太な音でした、しかしどこか音が明るく薄いのです。
日本のニッコー電子は更に太かったですが、熱が大量に出て、冬でもマルチシステムの我が家は暖房が必要ないくらいでした(笑)
しかしいかんせん古かったのだと思います、基盤に100Vかかるため古い素子が悲鳴をあげ、とにかく故障が多かったのと、音がボケていたので諦めたのですが、昔は優れたアンプだったと思います、しかし、いかんせんもう古すぎだと思います。
色々使ってみて中古品は値段的な魅力はあるのですが、しっかりメンテナンスしないと、経年変化で 接点も駄目になり、 部品の容量抜けが目立ち、抵抗値は上がり、当時の性能は保たれていません。
なので詳しいイシノラボヘ依頼したのです、そして思いました、歪みのないアンプは帯域バランスが整い、マルチシステムにした時初めてその性能を発揮する事を。
優れたアンプを使わなければいい音が鳴らない、よく聞きますが、アンプだけ換えても音はそんなに大きく変わりません。
いいアンプを使うといいのは当たり前ですが、いいアンプをしっかり動作させるのが問題であり、その環境作りが大切なのです。
高級なアンプに買い換えただけで、音が各段に変化したなら、むしろ他を疑うべきではないでしょうか、高級なアンプが本来の働きをしていない可能性大です。
良いものを使えば確かに作りが違うので、多少いいのは当たり前です、もっともっと良くしようと努力なしでは世間並みで終わってしまいます。
同じものを聞いてるのに、何故、何時もウエスタンスピリッツの鳴り方は違うんだろう、こう言われたいものです、けれどまだまだです。
アンプを買い換えただけで音は大きく変わりません。
オーディオはトータルで鳴るのです。
先日、私はこのブログでオーディオの七不思議と書きました。
ある方からご指摘が来ました、オーディオは科学です、不思議な事は何にもありません、確かに仰る通りです。
ボリュームの左右の性能の差や、ユニットの能率の差や、聞く位置や部屋の形状や様々な原因(定在波)が重なり、我が家では整ったと思われます。
これは測定器で計測しても正しい答えは出ないのです、測定器のマイクの性能によるものと、個々の聴力の差があるからです。
ご指摘、感謝致します。