TADとJBLの比較
耳に残ったTADの音と自分のシステムを比べて聞いている、TADはしっかり鳴っていた、比べて我が家のJBLは、そこそこ鳴っていると言う感じだ、やはり鳴らすツボ(周波数や響き)がかなり違う。
聞いてきたTADは、ガッチリ作られたネットワークや真空管自作アンプで駆動されている、先ず一聴して分かるのは、ドライバーとツィーターの音の切れと、音ののび(倍音)である、そして、圧倒的な重低音が引き締まり楽に鳴る、それに対し私のJBLはクラウンのトランジスターDCアンプだ、ダンピングファクターが強くかかっている、引き締まった低い低音は確かに鳴るけれど、重低音とは言いがたい、本当に低い低音は感じるのだが、TADに比べ明らかに薄い。
その両者の間には単なるブランドの違いだけで片付けられない何かがあるのに気が付いたが、それが何なのか分からない。
TADの鳴り方は、聞くこちらに対し、押し付けて吹っ飛んでくるタイプの鳴り方ではなく、あくまでも紳士的で、ある距離をもって真面目に鳴ってる、それに対しJBLの鳴り方は、こちらに吹っ飛んで来るイメージがある、それ故に後への距離感や左右への広がりも感じる、しかし私は神経質に管理してきたので、押し付けがましくはない、JBLの音はウーハーの120Hz辺りが少し盛り上っている所を感じる、それに対しTADの鳴り方は、全帯域がフラットな印象だ、それはお互いのユニットの周波数毎のインピーダンスグラフを見れば明らかだ、JBLは周波数によってインピーダンスはどのユニットもかなり暴れている、両者が同じな訳がない。
私のボックスはJBL4560、板の厚さは15㎜程、重さは約40㎏だ、しかも下にはキャスターをセッティングの為に直に付けている、それに対しTADは有名なタテマツの一番上のクラスのボックスで、板の厚さは4㎝はあると言う、かなりの重量級になる、仕上げは高級家具並みに美しい、重さも70㎏と聞いた、下にはタオックの金属製の台にキャスターが付いた物に、鳴き(共振)を止めるものと、ジェルを張り付けている、そのジェルを付けてからこの様な重低音が鳴ったと話していた、がそれは何故だか分からないが、鳴ったいじょうちゃんとした根拠はあると考えられる、理屈のつかないものはないが、色んな事が複雑に絡んでいて、解明は難しい。
結論から話せばクリアーなフラットな鳴り方のTADに軍配が上がる、しかしJBLのもつ対決姿勢の様な音も魅力的なのは事実であろう。
しかし、私もいつかJBLからTADの様な重低音を鳴らしたいと思っている、その音域は僅かなのだが、しかし、その僅かな差がなかなか鳴らせないのだ。
みなさん、それがいかに大変かお分かりだろう。