松岡直也
写真のレコードスプレーのお話しは、後程出て来る。
季節外れで大変失礼、乾いた秋風に思う過ぎ去った心に置き忘れた夏、最後のビールはもう空いた、もう総ては蜃気楼、さあ街に帰ろう!そんな感じのラテン系の曲調。
ジャズを専門に聞く者ならば、何を軽いつまらないものを聞いてるんだと言われそうだが、私はラテン系のリズムも日本のフュージョンも嫌いではないのだ、あまり決めつけたくはないし、これがジャズでないと言う決まりはない。
ひょんな事から、我が家に少しまとまったレコードが集まった。
そしてそれらが、普段は殆どがジャズ、ピアノトリオやスコットハミルトンを聞いてる私を、一時の幻想に誘ってくれた、松岡直也が全部で十五枚である、届いたLPはどれも総て綺麗だった。
私はいつもLPを仕入れると、一つの拘りがある、静電気の音(パチパチ)が嫌なので、必ずNAGAOKAのレコードスプレーStat Ban(スタットバン)562で処理をする、私がなぜこのレコードスプレーを使っているのか?昔からずっと拘って使ってきて、一度処理したら、その後はかける毎に少しずつ静電気は減っていくのだ、つまり私の三十年間の保証付きとなる、それと処理した後は盤面がとても滑らかになる、お断りしておくが音は変わりません、使った方が音は確実に良くなる、よって針先も長持ちする様な気がして、三十年間ずっと使い続けている、はじめは中古で購入した酷い静電気を帯びたレコードでも、これで処理をすると何度かかけるとその音(パチパチ)はやがて少しずつ消えてゆく。
さて松岡直也のお話にしよう。
たまに波の音が曲の最後に入っている、ピアノやシンセサイザーが彼の弾く楽器の殆どで、アルバムのプロデュースもしていて、今回の仕入れたレコード総てを通して、メンバーは殆ど大きく入れ替わりはしていないようだ、しかしその中身には驚かされる、曲を作る感性がこの人は多才だと思う、聞いているとあちこち旅をしているみたいな感じになり、旋律もセンスが良く、風の様に爽やかでお洒落な感じ。
少しせつなげなピアノやシンセが綺麗で、ラテン系のリズムが多く、サンバで使うようなパーカッションがたくさん入っていて、正にフュージョンチック(死語?)な、リオのカーニバルに来たかの様な開放的な感じ。
どれを聞いても似たような感じだが、微妙に一曲として似たような旋律がなく、開放的な夢うつつな感じが好ましいと私は思う。
レコードからCDRにおとし、ドライブ中にかけて、海岸線を走ったらどれだけ気持ちが良いだろうか?と思った。
この感じの曲調が好きな方ならば私の様に、全部アナログで欲しくなるのではないか?特にアナログで聞くスティールドラムの音は最高、CDでは、この様なちょうど良いカラッとした音の重さが出ない気がする、オーディオにもたまには息抜きが必要だ。
松岡直也たまに良いと思います。