ヘッドシェルリード線
インサイドフォースキャンセラーはなんとか決まった、SPUは更に高嶺に登れる筈だ、後一ヶ所どうしても気になったところがある、今まで私はシェルリード線をウエスタンの単線で音を決めてきた。
ウエスタン単線ならば何でも良い訳ではない、今回はプラスの線をリッツタイプで作り、マイナスを少し太いウエスタン単線でやってみよう、そう思った。
何故ならば、DL-103の時はプラスは単線で音が落ち着いた、マイナスも同じ単線だった、しかし今回はオルトフォンのSPUだから、音は太く鮮やかで細かい、その特長を活かしたいと思ったのである。
多分私の経験からすると、細やかで開放的な再生レンジの広い音に感じる筈だ。
次の日作って聞いてみた、みなさんこの音を聞かせられないのが残念だ、先ず音が大きい、クリアーな透明感、各々の楽器の分離と、その間の空気感、音の強さ、再生帯域の増加、躍動感や静けさ、滑らかさ、勢い、強さ、そして私の欲しかった低く引き締まった低音が見事に再生された、ここまでは総て納得である。
しかし、半田したのでまだ焼けている、後はエージングだけだ。
ジョン べヌーティーのヴァイオリンは芯を伴い宙を舞った、しかしべヌーティーの足はしっかり地についている、全く違うとはこの事を言うのだろう。
細やかでおおらかで、奥行きや広がりがあり私の想像を遥かに越えてしまった。
やっと以前交換したトーンアームの内部配線がいかされたのだろう、スピーカーと私の間になんのもわだかまりもなくなった。
それにしても低音がかなり鳴った、昨日迄の音は何だったのだろうか、トーンアームの内部配線は、0.3㎜単線プラスマイナス総て一本だ、しかしアームの内部配線としてはかなり太い、今回それをプラスに三本軽く捩り、リッツ線として作った、マイナスは0.6㎜単線にした、もう言葉にならない、上手くいったと私は思う。
これからたくさん聞き込むが、今までの経験からすると、まだ少し半田処理で焼けているので、乾いた感じがする、それが次第に薄れウェットになっていく筈だ。
しかし再びその日の夜に聞くと、何を聞いてもつまらない音になっていた、これはいつもの事で、これをだいたい三日間は繰り返していくのである。
さてどうなっていくか、とても楽しみだ。