素線径混合リッツ線のその後
リッツ線だけでは、重低音が少し心もとない気がして、気に入った0.08ф240本のリッツ線に0.6ф単線を一本プラスした、素線径混合リッツ線は、かなり気に入ったが、まだ今一つだと感じる、更にもっと上がある筈だ、しなやかさも欲しい。
太さはスィッチクラフトの端子に入るギリギリである。
少し無理して端子に押し込み過ぎたのかも知れない、無理して押し込み過ぎた結果、素線を固く捻り、更に0.6ф単線を無理矢理押し込んだ、その結果、半田がなかなか中まで染み込まず、半田ゴテを長く素線に当てる結果になってしまった。
ギチギチでは音もギスギスして、突っ張った様な感じになり、エージングに時間がかかってしまったのだと思う。
それはなぜか?普通リッツ線の中の素線総てに半田を染み込ませるには、端子に入れた線にコテをあてながら半田を流し込み、入れた線を前後に少し動かして、半田を中まで染み込ませるのだが、今回ギチギチなので、それは出来ず。
その結果少し長い時間60Wの半田ゴテをあてる結果になった、素線はあまり高音にすると酸化してしまう、だから出来るだけ素早く一気に中まで染み込ませたい、今回その過ちに気が付いた、それともう一つ、ケーブルの端末をあまりきつくしめるのは音質が詰まりあまり宜しくない、分かっていた筈なのだが、つい完成を急いでしまったのだ。
その対策の為にちゃんとした半田ゴテを購入してきたのだが、我々プロは処理をする場所に適した半田ゴテを持っていなければならない。
半田のコツは一気に熱して出来るだけ早く仕上げる、しかも天婦羅半田にならないようにである、確実に素早くである、これは当たり前の事だ。
もう一つの対策は素線の数(0.08ф)を少し減らす必要がある、無理をしてぎちぎちに端子に入れてるのは音質に宜しくない、少し前に私はブログでも紹介したが、0.08фを150本で試した、それを再び、CDに繋ぎ聞いてみた、不満なのは前回と同じ重低音の量と音の芯だけだ、ならばまた感になるが、0.5фか0.6фを一本追加するか、0.12фとの混合比率である、0.08ф一本の表面積は0.2512である、0.12ф一本の表面積は0.3768である、その差は1.5倍になる、0.08ф一本の断面積は0.005024㎜2である、0.12ф一本の断面積は0.11304㎜2である、その差は2.25倍となる、合わせる比率にもよるが、音質の差は多分低音に出てくると私は推測した、見た目には変わらないが、その差はかなりのものである、今回の結果からして、多分0.08фと0.12фを合わせた混合リッツ線の方に軍配が上がりそうな気がするが、私は総て試さないと納得出来ない性格である。
比較的クラシックだけを聞いてるならば、0.08ф240本リッツ線は癒されて良いのだが、それがジャズもとなると少し話しは別になる。
オーディオ界には厳しい方もたくさんおられる、クラシック交響曲のティンパニーが芯を伴って低い周波数迄鳴らないケーブルが、オンマイクで録ったジャズの鋭角なドラムスを総て再生する事など出来る訳がないと、仰る方もいらっしゃるからだ。
それは私も同意見だが、だからジャズ向き、クラシック向き等と言う言葉自体が既におかしいのである、まるで売れないものを無理矢理売っている、安い販売員の宣伝文句みたいだ。
それは録音で作るもので、ケーブルや装置で作ってはいけないと私は思う、オーディオにコーヒーの様なテイストなんて言葉はいらない、ケーブルは以前のと聞き比べ、良いか、劣るか、ただそれだけだ、私に逃げ場はない、だから大変なのだ。
総てのジャンルは鳴らせるが、総ての装置に繋ぎ完ぺきでないのが、今回実験しているリッツ線だと思う、いや総てのオーディオケーブルに当てはまるかもしれない。
リッツ線はそれ自体、他の細かい影響を受けやすい、今までのウエスタンスピリッツシールドラインケーブルの様にどこに繋いでも大丈夫とは厳密にはならないと思う。
しかし素線径混合リッツ線ラインケーブルは、本当に聞きやすくなった、音は強いけどうるさくはならない、が、少し大袈裟だ、そこを私は、今回違和感と捉えた。
コンクリートの床が震えるほど、重低音を実在感を伴い鳴らす、まるであり得ない高性能のスーパーウーハーを追加したみたいだ、ケーブルで音が変わらないなんてナンセンスだ、ハッキリ変わる。
変わらないのはそれまで変わらないケーブルを使っているからだ、ウエスタンスピリッツのケーブルは音が違う、ケーブルは定数を変えられない立派なフィルターである、計算して作って行くとそれがハッキリと分かる様になってきた。
ケーブルで音が変わらない、ネットで公表してる人がいる、そんな人の言葉に誰も耳を貸す必要はない。
ケーブルで音は変わる。