ネットワークリッツ線配線から三日後
消磁もエージングも行った、音楽もたくさん聞いた。そして、鳥たちのシンフォニー<森の中で>をCDでずっと鳴らしっぱなしにしてきた。
繋いで三日目である。鳴き声の強い芯や、音の立ち上がりは鋭くなり、前後、左右、上下の広がりが、リッツ線を繋いだ後は明らかに増えている。
まるでネットワークの定数を変えた位の違いはあるが、何にもしていない。ただリッツ線に替わり、丸三日間リピートして鳴らしっぱなしにしていただけの事である。
河のせせらぎも録音されている。水の流れる音は、けっこうレンジが広くエージングに使う人も多い。
三日間で、音はかなり変化した。ツィーター、ドライバー、ウーハーの繋がりが不自然だとなかなかこうはならない。それも今のところ、間違えていないようである
そして写真のカラヤンが指揮した、ベートーベンのエロイカをアナログで聞いた、ドイツ盤である。
全体的に鮮やかで、包み込まれる様なまろやかさである。しかし、音が刺さって来る事は全くなかった。
木管楽器がとても滑らかで柔らかく立体的、その音は、スピーカーからバラリと剥がれ、クリアーにクツキリと小さな定位で鳴った。不思議な、とても神秘的な鳴り方だった。スピーカーの奥に更に広い部屋がある様な、そんな奥行きを感じる。
さて、次はウーハーのリッツ線ケーブルを作らなければならないが少し時間がかかりそうである。
それと、少し前に作ったパワーアンプからネットワーク迄のリッツ線ケーブルのハーネスが、どうにも個人的に気に入らない。
以前作った様に、薬局で購入した薄い和紙製の傷テープをリッツ線に巻いてから、平行に綿の太い糸を強く巻いた方が、エージングに時間はかかるが、綺麗に作れて、滑らかな中域と太いスッキリした重厚な低域になる筈である。
やってみようか?
その作り方の方が、優れているのはもう分かっている、ならばこちらはウーハー用のリッツ線ケーブルの後にやるしかない、そう思った。
ネットワークからウーハー迄のリッツ線も、パワーアンプからネットワークの時と同様に0.12㎜фのPEW単線を327本にする事を決めた。長さは170㎝である。
少しの間オーディオは、電源を落とす事になるが。作ろう。ウエスタンスピリッツの妥協なくとは、こう言う事である。
さて、上手く行くだろうか?
何やら、凄い事になりそうである。少し気になっているパワーアンプの出力端子へも、もっとしっかり留めたい、発想は必ず後に出てくる、更にしっかり留める方法を思い付いたのである、多分、これしかないだろう。
しかし、こんな時に限ってお客様が来られる。そのお客様は、オーディオをやっていない。けれど、シャンソンやアルゼンチンタンゴが好きなのである。
私は楽しみにしている。オーディオに興味のない方の聞き方は、我々とは全く違う聞き方をするものである。
いつもオーディオマニアだけと接している訳にはいかない。やはり普通の人の意見が大切な時もある。
とても参考になるのである。ライブをたくさん聞いてるので、低音がどうの高音がどうのでなく、どちらかと言えば、私が感じている方向とは全く違う違和感を聞いているようである。
時に聞いた結果が、残酷な言葉になることもあるが、オーディオをやってない方の意見は音を構築していくうえでとても参考になるのである。
そして今日、そのお客様が来られた。感想はこうであった。以前聞いた時よりも奥行きがあり、聞いていて圧倒的で、ワクワクして楽しくなるとの事だった。まるで宇宙空間を体験したようだ、と感想をのべられた。
そしてワクワクする。これが大切なのである。
話しはそれたが、ネットワークからウーハー迄のリッツ線スピーカーケーブルを作る前にとても大切な事だと私は思った。
お越しいただき大変良かった。