もっとスピーカーを鳴らそう
私はたまたまJBLだっただけのお話しであり、とにかく上手く鳴らなかった。しかし、鳴らないスピーカー等、多分この世に存在しないと思う。
ただ、思ったとおりに上手く鳴らないのは、購入する側がそのスピーカーユニットやスピーカーシステムのコンセプトをよく理解せずに購入してしまったからに過ぎないのではないだろうか。
最近そう思うのである。確かに16㎝のフルレンジ一発で、38㎝ウーハーを軸としたスリーウェイスピーカーシステムの勢いのある低音は、初めからどだい鳴らすのは無理である。
しかし例え16㎝のフルレンジで、38㎝ウーハーと同等の様に鳴って聞こえるスピーカーは現に存在する。それを今回、立証させてきた。
さてそれをどう説明がつくのだろう… ユニットだけ16㎝のままボックスが大きい?違うのである。そのスピーカーを鳴らしたのは他でもないケーブルだったのである。
細かい事はこの際、野暮である省かせていただく。自分で偉そうに話すのも馬鹿みたいだが、その音を鳴らしたのは他でもない。
まだ実験段階のウエスタンスピリッツの絹巻きリッツ線ケーブルである。
ある方から連絡があった、昔からのお客様で、とにかく音の帯域幅が足りなくて上手く鳴らずオーディオをやめたくなったと言うのである。
私は「今まで貴方は私のケーブルを否定していたではないか?どうしたのだ」と聞いた。すると、いつまで経ってもどんなに待っても、貴方のリッツ線ケーブルの答えがなかなか出なくて、ブログを毎日読んでいて、遂に切れてしまったらしいのである。
私のスピーカーはフォステクスのUP-163でボックスは同社の45リットルである。しかも密閉箱だと言うのである。
名機だ、そう思った。しかし相変わらずツィーターも何も繋いでいない、昔のままだと言うのである。覚えている、30年前に秋葉原に一緒に買いに行ったのである。
でも私は嬉しかった。しかしまだリッツ線は、音決めをしていないのである。今回渡りに船であった。
私は自宅のケーブルを外して持参した。先ずはその現状のありのままを聞かせていただいた。確かに酷い音だった。
数日前に、奥様主催のパーティーがあり。間が白けたので、ご自慢のオーディオを鳴らすと更に白けたらしいのである。
そんな事を言われても困るが、私は先ず端子のメンテからやって行った、かなり端子が錆びていたからである。一見光って見えても端子は錆びているものである。確かに音はクリアーになった、しかしそんなレベルの音ではなかった。
毎回私のブログを読んでいて、自分の音とあまりにかけ離れていると思っていたらしいのである。
ここからは流石にお金がかかる事を奥さまにお伝えした。答えは財布も含めオーケーであった。
先ずはピンケーブルをCDとプリの間に繋いだ、鳴った瞬間に目の前が開けた。奥さまが最初に気が付いたが、まだお望みの低音は鳴らない。
そしてスピーカー端子を更にしっかり磨き、リッツ線を繋いだ。軽々とした低音が爽やかに抜けた。
きらびやかで品のあるオーケストラ、鮮度の高いジャズ、引き締まり下まで伸びた重低音が時間をおうごとに鳴ってくる。
正直自分が完成させたリッツ線の出来映えがここまでとは思わなかった。
しかしまだ自分がゴーサインを出した訳ではないし、我が家のリッツ線ケーブルもなくなるので、リッツ線は一旦外し、元のケーブルに戻した。その途端、音は元のボケた音に戻った。そのままではあまりにかわいそうなので、従来のウエスタンスピリッツケーブルを繋げてきた。
こちらもかなりの実力である、お望みの低音は再び鳴った。それはお金をもらわず、リッツ線がオーケーとなるまでのモニターケーブルとしてきた。
やはりリッツ線は九月迄は商品化決定には至らない。しかしお客様は奥様も含めリッツ線がお気に入りのようである。
その方が今まで使っていたケーブルは某有名メーカーの誰もが知っている最高級品である。
しかし、それは規格に縛られた商品。こちらのリッツ線は、音の為だけに作った作品である。どだいコンセプトからして全く違うのである。
しかしウエスタンスピリッツのケーブル、奥様からは「見た目がとてもシンプルで綺麗です」とお誉めのお言葉をいただいた。
自分で聞いても、滑らかで強く静かな癖のない鳴り方だった。
リッツ線の真価が分かるのは、後二ヶ月である。貴方のオーディオシステムもまだまだ鳴る筈である。