櫻井洋一さんとの会話
櫻井さんはひたすらジャズのレコードを収集し、様々な年代やレーベルの音の差に気が付き総て上手く鳴るように沢山のオーディオ装置を所有、特にアナログシステムの数は世界的に見てもトップクラスに入ると思います、その努力と経験は半端ではない。
トーレンスリファレンスやEMT930を初めガラード、トーレンス124等ご所有のターンテーブルやトーンアームやカートリッヂの種類は半端ではない、それらを総てしゃぶりつくししかもまだ飽き足らず音楽と音を求めて使いこなしていらっしゃる、何故EMT930なのか何故927でないのか、930の方がショートアームの為音がシャープでジャズに向いてるからです。
驚きなのはそれら総ての使い方は勿論作られた経緯や構造にとても詳しく、徹底的に調べあげて完璧にご理解され使いこなされてるところです。
とにかくメカに詳しい、何とか鳴らそうと努力してきた結果です、それが一つ一つの音に総て現れています。
そしてレスターヤングが一番だ、それを沢山のジャズ好きやオーディオマニアに伝えて来たそうですが、時代遅れと言われたり全く伝わらなかったそうです、時には装置を貶されたりレコードがなくなったり、時にはカートリッヂの針を折られたりした事もあったそうです。
それまで付き合って来られた方々も話が合わずうんざりしたとお話しになっておりました、そして櫻井さんと私はとある方を通じ知り合ったのです、その方と櫻井さんと私は電話やメールを通じ暫く三者会談をしていました、当然オーディオや音楽のお話しです。
しかし櫻井さんと私は話が合うのですが、櫻井さんと私を会わせてくれた方だけどうしても話が合わないのです、私とはじめて櫻井邸に伺った時もその方は『ウーレイのシンバルの音が素晴らしい』とか『ウエストレイクの重低音やタンノイレボリューションやマーキュリーの重低音がどうのこうの』そんな事ばかり聴いていて全く音楽を聴いていないのは明白でした。
つまりその方は有り得ない音や重低音ばかり聴いているのです、櫻井さんは露骨に嫌な表情になりました、私にはその櫻井さんの表情の意味がすぐに理解出来ました。
そして帰り道、私に『櫻井さんはやはり日本でナンバーワンだ、あの音はやはりテァドラとアンプジラを使っているからだ』私にそう話しました、私は『この人は完全に的が外れている、わざわざ忙しい櫻井さんに時間を空けて頂き、遠路はるばる尋ねて来たのに、この程度の聴き方しか出来ないのか』と思いました。
そして『櫻井さんアンプジラとテドラを買いたいと思うが見つけて欲しい』との連絡を入れたそうです、その前にテドラではなくテァドラです、私が言い直しても『テァドラじゃないよ、テドラでしょう?』それを櫻井さんに伝えると櫻井さんは一言『分かってないよね』と寂しそうに話しました。
そして私だけもう一度『ウエスタンスピリッツのケーブルを聴きたいから来訪されませんか?』と言われ、2週間後に伺いました、私はウエスタンスピリッツのケーブルもまあまあでしょう?と櫻井さんに感想をお聞きしました。
すると櫻井さんは即座に真顔になり『まあまあどころじゃないよ良いよ』と仰いました、私は思いました『遂に出合ったな』と。
しかし残念ながら櫻井さんはブログはやりませんし、ブログへのコメントもしません、しかし世の中こんなものなのです、ブログのコメントに私のブログに聴いた方の感想がないから音の傾向が分からないとのコメントがありましたが、ご自分で聴かれないと分かりません、人の評価ほど分からないものはありません、ましてや殆どの方はスピリッツケーブルの音や音楽性を理解されてるとは思えない回答ばかりです。
そして櫻井さんもウエスタンスピリッツへご来訪され、あまりに世間と異なるJBLの端整な音を認めて下さりました。
その後、私と櫻井さんを会わせてくれた方は結局、テァドラは買わずしかもアンプジラではなくSUMOのアンドロメダを購入してしまったそうです、アンドロメダはボンジョルノの設計ではなくマイケルカスターの設計です、あまりにも違い過ぎます。
その事に私はぶち切れてその方とのお付き合いを電話で切ったのです、それを櫻井さんへお伝えしました、櫻井さんは初めは『何もそこまでしなくても』と思ったそうですが、櫻井さんもそれからは私の考えにご賛同され、いらないマニアとのお付き合いを切られたようです。
とにかくわざわざ人の部家へ来て音を分からず、貶したり人の物を盗んだり壊していく方は、多分自分では買えないので羨ましいのだと思います、そして音楽を理解出来ていない、だから音も人の努力もほどこしも接待も理解出来ないのだと私は思います、オーディオ以前に人間的に駄目です。
櫻井さんは最近私にこう仰います『過去に理解してくれた方もいらしたがみんな亡くなってしまい、今は貴方だけが理解してくれてる、私は貴方の音を認めている』と、ならばもうこれで充分です。
そして私は櫻井さんの経験とセンスを認め、色々ご伝授願いたい、そう思った。
そして何時も二人の会話の中で『誰も音と音楽を分かっていない』その意見に達してしまいます、やはりレスターヤングは最高なのです、そして私もまだまだレスターヤングは鳴らせていないのです。
その為には実際鳴らした方の経験から来る意見を自分の意見や考えを一旦捨て素直に受け入れる事です、しかし世の中、特にオーディオにはひねくれ者が多く、なかなか真実を鳴らした方が居ないのも事実なのです、貴方の感性は大丈夫?
『私は違う私は音楽を聴いてる』そう思ってるうちはまだまだ音しか聴いていません、だからオーディオが上手く鳴らないのではないでしょうか?