最近ケーブル作りを再開し改めて思うこと
ウエスタンスピリッツは絹巻のタイプが人気です、個人的にはマイナス単線に絹巻を施さず、外皮をリネン(麻糸)を巻き付けたタイプが個人的には好きです、そしてプラスであるリッツ線にだけ方向性を 持たせシールドをかけています、何度も試しましたがその方が音が開放的で閉塞感がなく良いからです、何故絹巻を施したケーブルの方が人気があるのか色々繋げ聴いてみたのです。
しかし絹巻とリネン(麻糸)との差は私が聴いた感じに於いてこう感じました、絹巻は滑らかで少し煌びやかな響きを感じます、それに対しリネンは煌びやかな響きと言うより録音されたそのものをそのままに分解能を伴い一番聴きやすいのですが、見た目やはり絹巻独特な美しい艶はなく表面が少し毛羽だって見えます、しかしどちらを選ぶかは初めて使う言葉ですが、やはり音質を含め見た目も大切なのと好みの範疇にとどまるのではないでしょうか、そして絹巻独特な美しい煌びやかな音も大いにありと感じました。
その前にウエスタンスピリッツのケーブルはプラスはリッツ線、マイナスは極普通に流通しているPEW単線1.6ミリですが、ウエスタンのように16GAではありません、1.6ミリが一番音がいいからです、16GAはアメリカンワイアーゲージで1.6ミリではなく1.6ミリより少し細いのです、そしてPEW皮膜は電源トランス等の巻き線に使われる為とても強いのです。
音もしっかりしてとてもグッドです、何故ネットではブラックエナメルの16GA単線が人気があるのか私には理解に苦しむところです。
以前私が頻繁にブログに公開しそれが未だに賞賛されてるのかもしれませんね、
やはりケーブル作りはとても絶妙なもので す、プラスマイナスやシールド線の長さを総てしっかり揃える事、半田の質やその留め方のノウハウ、プラスマイナスの線を絶対平行に保たせる為に使う皮膜素材や、それらを巻き付けるテンションは強ければ良いと言う訳ではありません、プラスマイナスの線をショートさせない為の工夫、これらは総てケーブルとして出来上がったものの音質に絶妙に音質に影響します、ですから私の細やかな研究は時間はかかりましたが、総て必要な事だったのです。
ところがネットオークションを見ていると販売するために、素材の事ばかりがクローズアップされています、とてもではないが分かって作っているとは到底思えないのです、ウエスタンスピリッツの文章や見た目だけをネットでそこそこに調べて作っているのか、作った私が見てそっくりなのです。
ウエスタンスピリッツケーブルとの決定的な違いは、左側を白のスミチューブにしている事です、ウエスタンスピリッツの左チャンネルは黒です、そしてスリーブのような皮膜ではなく、ウエスタンスピリッツは絹か麻を沢山の素材の中から調べ吟味して巻き付けています、それをネットで出品されてるものは、拡大しても分からないようにぼかした写真を掲載しています、私が見たら直ぐに分かります、厳密に測定するとその測定値は笑える程の差が出る筈です。
ウエスタンがどうの作られた年代がどうのブラックエナメルである事、そんな事ばかり語られております、細い線なのに低音がしまったとか、ジャズは最高等と書かれています、肝心な作り方は明記されておりません、切り売りされたものを買ってきて線に端子を付けケーブルを作ったと書くべきです、そもそもウエスタンケーブルは怪しく作られた年代まではなかなか分からないものです。
色々研究してきた私には作りを見ただけで音の傾向は容易に想像出来ます、そしてあの様な値段で販売出来る筈がないのです、作り手の会社がなくなり困るのは信用して購入してきたお客様です、それこそ無駄な出費です。
安定して同じものを提供出来る、これが責任です、限られた数しか作れないのであれば無責任だと思います、そしてハッキリ話します、ブラックエナメルだから音が良い訳ではありません、エナメルをどのように剥離するのかその剥離の方法が大切であり、カッターで削ぎ落とす等もってのほかです。
ケーブル作りは茨の道です、何を作るにしてもいいかげんに作ると必ず音や計測値に出るもの、今回ケーブルを作っていて色々分かって来ました。
一見無駄と思える作業、それこそが必要な事なのです、どこか一つでも手を抜き安く楽に作ろうとしたら小さな綻びがやがて悪い方に重なり、その総ては必ず音や計測値に出ます。
そして自分が過去に検証してきたその総てを改めて感じました、『総て必要な事だった』と、私は自慢する訳ではありませんが、やはり普通でないからプロなのだと思います、そして常に更なる進化をしたいと願います。
さてウエスタンスピリッツと安易に作られたケーブルの違い、ご理解願えましたか?