ジャズ
スターに駆け上がった方も何人かはいらっしゃるが、ジャズメンの最後はそれはそれは酷いものです。
食べられなかったウエスモンゴメリー、のたれ死んだコルトレーン、麻薬に溺れボロボロになって死んでいったビリーホリデー、お酒に溺れ死んでいったレスターヤング、喧嘩で死んだアートペッパー、みんな悲惨な最後である。
彼らはそれでもジャズを愛していたのか、いやそれしか生きる道がなかったのではないか、でもジャズは素晴らしい。
クラシックとジャズを色々調べ聴いてると、私はジャズに再び開花したようである。
クラシックは宮廷の華やかな音楽だが、やはり作曲家はみんな酷い最後を迎えている。
モーツァルトなど華やかなイメージがあるが、結局、食えずアルコールに溺れ、亡くなっている。
アマデウスをDVDで観た、モーツァルトの最後は、ズタブクロに入れられ、雨が降る一番やすい墓地の穴に放り込まれ、ただ上から石灰をかけられそれで終わり。
本当のお墓がどこにあるのかさえ分からないのだと聞く。
しかしジャズはもともとスラムで生まれた、人種差別の色濃い時代、ジャズは日本の学生運動のように開花した。
同じ人間に生まれても、ただ黒人というだけで、人生絶望なのだそうだ。
しかし現代はその中からでも、努力して這い上がって来る方も中にはいるが。
スポーツの世界へ行くか、音楽を選ぶか位しか選択肢はないと聞く。
そんな時代背景がジャズの黄金期を作ったと思うのは、私の勝手な解釈なのだろうか。
そして一旦は忘れ去られたかのようなジャズだが、また最近、世界中から未発表だったマスターテープや原盤が出て来ている。
オリジナル盤はとても高額で、それでも傷だらけだが、再販されるなら新品を購入出来る。
私は買い漁っている「どうしてもオリジナル盤でないと駄目だ」と仰る方もいらっしゃるが、私はそうは思わない。
真実なのだが、そもそもなかなか出て来ないし、とても高い。私の年齢であと何年聴けるのか?
もう命の蝋燭はそんなに残っていない、ならば色々沢山聴きたい、これが、心情である。
高額なオーディオシステムを揃え大した音はしていない、それよりウエスタンスピリッツのように、何でもそれなりに鳴らした方がいい、私はそう思っている。
その為にケーブルを開発したのである、オリジナル盤しか鳴らないのであれば、それは最早オーディオではなく、単なる金持ちの道楽でしかない。
オーディオとはそんな簡単なものではない、正直な話、三十万円もあれば、立派な音を鳴らすことが出来る、後はセンスである、私はそう思っている。
ジャズ、特にレスターヤングを聴いてそう確信した。
レスターヤングはもう居ないが、私はそこそこの音で聴ける、つまりレスターヤングは何時も私と共にいる。
これからもずっと。