サナトリウム13
尾てい骨(びていこつ)から太股(ふともも)の裏側にかけての激痛は急速に治まって来ました、しかも奇妙な事に右足だけなのです、痛くて全く歩けなくなりサナトリウム状態になっていました、しかしもうサナトリウムを出る時が来ました、実は辛いながらも私は痛みを堪え歩いていたのです。
そしてここのところやっと腰をのばして歩ける迄に回復して来ました、確かにまだかなり痛いのですが、歩ける歩幅も広がり速度も少し意識的に早くしています。
本当に歩けなくなった時『遂に俺も終わったかも知れない』そう思いました、正に絶望的だったのです。
しかし生活があります、お昼の食事も家内は働き始めたので何時までも甘えてる訳にはいきません、毎晩家内は帰宅した時、外では絶対に見せない疲れた表情を私にだけ見せます、その表情を見ていると『朝ご飯を炊いておいてくれないか?』とは言えなくなったのです。
家内は『朝出掛ける前にご飯を炊くくらいたいした事ないよ』と言ってくれますが、いくら我が家とはいえここはサナトリウムではなく、一つの社会です。
私は家内が犠牲になってまでのうのうとしている訳にはいきません、そしてこう思いました『俺も自分なりに努力してなんとか復活しよう、痛いのは生きてるからだ、せめてお昼は自分で食べに行き、夜家内と食べるお弁当やフルーツや家内のおやつを買ってこよう』と。
海老のように背中を丸め外に出たのです、知り合いに言われました『どうしたの?大丈夫?』と、大丈夫な訳ないですよね。
そんな事も今は笑い話になりますが、今もあまり無理をしないで生活しております、アルコールや煙草は確かに健康を害すると思いますが、病院の医師が処方される薬の副作用とは飲み合わせによっては本当に恐ろしいものです。
痛みと言うのは脳や身体が覚えてしまうのでなかなか全快しないのです、しかし私は絹巻きケーブルの製作者であり職人です、私にしか作る事は出来ません。
仕事で使うのは腰から上なので作ってみないと分かりませんが、そろそろ仕事を復活しようと思います、私の仕事を信じていただいてるみなさんや家内の為に。
私は頑張らないように頑張ります。
ここは関東の市川市湾岸部、また台風19号が来そうです、特に土日が大荒れになりそうです、今の内に台風に備え外に出なくてもいいように備えて下さい。
私は大丈夫!必ず復活致します。