トーンアームの改造。
私は、十年程前にも同じ失敗をやった事がある。
忘れていたのだ。
トーンアームは色々なカートリッヂに取り替えて音色を楽しめる様に、接点をしっかりさせてある、ヘッドシェルの微妙な形状やサイズの違いに対応するために、四つの端子にバネを入れて、幅を持たせ対応している。
半田をするとき、下まで流れたり、熱を加えすぎて、ベイクが溶けて、端子のバネがきかなくなることがあるのだ。
そうなればヘッドシェルは奥に入っていかず、端子に付かなくなる、困った。
配線を半田付けをするときに使わないヘッドシェルを差し込んでおいて、端子の足を半田する方に少し出しておいて、余った部分に熱を逃がすクリップを付けて素早く行えば良かったのだ、端子は四つとも全くバネがきかなくなっていた。我が家に、たまたまもうひとつ前の同じアームがあったからその端子を移植した、二度目は上手くいった。当然四本のケーブルは短いので、古い線を引き出し、外して、ウエスタンの細いケーブルに交換する事になる、めんどくさいが、ほぼバラバラに分解しなくては出来ない、何とかケーブルを慎重に四本通し終えて、上手くいった。
心配していた事が一つだけあった、今度は線が太くなるので、アームが回転する所のケーブルの太さによる付加が心配であったが、以外と何の抵抗もなく無事である。
しかし、外したベアリングの調整がとても微妙で、二時間位格闘した、閉めすぎたらゴロゴロ音がして引っ掛かるし、締め付けが弱いと遊びが出て変な異音がする、最後は指の皮一枚の微調整であった。
今回の内部配線はオリジナルの五~六倍(0.3㎜単線)は太い線である、それとアームのエンドの五ピン端子も外してPUケーブルを直に半田で止めた、余計なものが間に介在すると、音は確実に濁ってしまうと思うからだ。
そして作業終了した。
早速試聴だ、スケールは大きいが楽器の形は小さく、とてもクリアーで静かな滑らかな力強い音になった。歪み感が激減した、以前は分からなかったが、今にして思えば、まだまだうるさい音だったのが分かる。
空間の再現力に改めて驚く、ちゃんと楽器の音がするようになったのだ。
確かにまだ半田したてなのでくもってはいるが、それにしても良い音だ。
先日かけていたレコードが全く違和感のない音に変わった、それとこれは主観だが、総ての楽器の品位がかなり高くなったように感じる。
とにかく落ち着いた静かな音だ、これってJBLなの?と言う感じだ。
私はアームが壊れたからなおしたがあまりやらない方が良いと思う。
あまりにも難しすぎる。