デンオン(現デノン)DL-103
昔からDL-103を私は何個使っただろうか。
途中、オルトフォンSPUA/Eにはまり暫くご無沙汰だった。
今の時代に、私は、あえて新品を購入してみた。
それは何故か?
オークションでの安価な価格も魅力だが、いかんせん中古は製造から時間がたっているから、ダンパーも駄目になっていると思う、現に何個かダンパーが劣化していたり、カンチレバーがどちらかに曲がっているのもあった、値段が安いが為に、あまりまともな使い方をされていないのだろうと考えたのである、その、私の考えは間違えてなかった、何も変わっていない、音の切れは若干浅いが、これはまだ新しいからだろうと思う。
真価を発揮するまでに、まる三日はかかりそうだ。
ハッキリしていてフレッシュで濃厚な音が我が家によみがえった。
懐かしい。
初期型とは違う、と、世間で言われているのは全くのデマである。
購入してまだ一日目なのだからまだ真価は出てないだろうが、なんて素晴らしい聞きやすい音なのだろうか、私はデンオンに感謝したい、素敵なカートリッヂをありがとう。
こんなメーカーが、いまだに存在するならば、オーディオはまだまだ捨てたもんじゃない。
訳の分からないカートリッヂを店に騙されて高い値段で買わされて、やはり違うなどと喜んでる場合ではない。
上手く鳴らないのは貴方の技術力の無さでメーカーのせいではない。
音の悪いカートリッヂなど、はなっから存在しない。
実は高価なカートリッヂも作りは同じだ、ただリード線やカンチレバーや針先が若干違う程度で、その音の差は極僅かだ。
まあ確かにその極僅かな差の為に我々はお金をかけるのだが、私は、今一度頭を冷やし、原点に戻ってみたかったのだ。
DL-103はメーカーの指定どおり2.5グラムの針圧をちゃんとかけて、しっかりとトーンアームの水平をとり、ラテラルバランスとインサイドフォースキャンセラーをしっかりかけて、ばっちり決まっていれば、素晴らしいカートリッヂなのだ。
因みに私は今回DL-103にカートリッヂに変えた事で、調整だけで五時間は時間をかけた、これがいかに難しいか、みなさん本当にお分かりだろうか、私には疑問だ。
だから、評論家や素人集団がやっている複数のカートリッヂの聞き比べ等、はなっから出来る筈がないのだ、調整している間に前に鳴っていた耳に馴染んでいない音など、多分忘れてしまう筈だ、アナログは、特にカートリッヂは楽器なのだ、精密な調整なくして絶対になりたたない。
やってる内に偶然に調整があった等絶対にない。
しかし、オルトフォンSPUG/EまたはA/Eと似ていると感じたのは、私だけか。
構造の図があったのでSPUと見比べると、ほぼ、同じ構造に驚いた。
何時間聞いても疲れない良いカートリッヂだ、みなさん、新品での購入を私はおすすめする。
日本にデノンのDL-103ありと言いたい。
やっぱり日本製品は当時から既に優れていたのだ、ただ若い私が鳴らし切れていなかったに過ぎないと思った。
それはトーンアームを見ても分かる、精度が違うし、今でも修理が出来る、海外のヴィンテージ、名機、とやらは偽物が非常に多い。自分だけは騙されてない、と思っていると既に騙されている。
私はそう思う。
カートリッヂを購入してわかる、例え値段が30万円違おうと50万円違おうとその差は極僅かである。
そんなに大きくは変わらない、ほぼ完成されているのだ。