LCネットワーク自作
メーカー品のスピーカーならばバランスが崩れる可能性がありますから、あまりやらない方が良いのかも知れませんが、もし貴方の自宅に暫く使わず眠っていて、動作するものがあるのならば、遊んでみてはいかがでしょうか?
部品の質や、カットオフ周波数によって全く鳴り方が変わるのを貴方も実感出来ると思います。
そして、実は、いかにメーカー製品が優れてるかを実感してほしい。
また、貴方の感性がずば抜けて優れていればその逆もある事でしょう。
たかがネットワークされどネットワークです、私は一時ネットワークやマルチを諦めていました、マルチは未だに私は好きになれない、ではなぜそうなったのかと聞かれると、いまだに不明なのですが、私が若かった頃、今から約三十年ほど前はJBLもまだネットワークを製造していて新品で市販されていました、ある人に言われ、JBLのネットワークはたいした部品を使ってないから、あまり良くない自分で作った方が良いと言われたのです。
正直ショックでした。
そして、当事自分の財布の中身で買えるだけの予算を投じ、部品を揃えて12dBクロスのLCネットワークを作りました。
出てきた音はそれはそれは酷い音でした。
ボリュームを絞るとボケボケ、上げるとギラギラしていて、うるさくて聞いていられなかった。
私はあれこれ暫く挑んでみましたが、諦めて外し、JBLの3110に戻しました、とてもバランスがとれていて、上手く鳴ったとその時は思っていたのです。
流石JBLだと(笑)
しかし、月日は流れ、三年前ネットオークションで落札したLX-5は接触不良も多くボケた音でした。
しかも、中にいっぱい松脂と蜜蝋を混ぜたものがが詰まっていて、とても素人に直せる代物ではなかったのです。
それでも、接点を磨いてみると音は激変しました、そこで始めて気が付いた、総て経年変化で劣化しているのだと。
そして、私はよせばいいのに、同じLX-5を何個も購入してみました。
結果は、作られた年代により多少音は違うけれど、どれもボケた音だった。
正直困りました…
今、ネットワークを作り出せば、自分は絶対にドツボにはまる、それは間違いなかった。
そしてとうとう始まってしまった。
先ずは、JBLのネットワークをパクりました、ほぼ同じ部品定数で安価なツーウェイタイプを作ってみました、おおっ!JBLよりクリアーで、音が大きく低音が引き締まった。
しかし、よく聞き込んでいくと、中音が汚いのです、そこから私の二度目の泥沼ネットワーク製作は始まりました。
とにかく部屋の中は部品でどんどん埋まっていきました、私はやるなら徹底的です、ネットワークの音は一進一退を繰り返しました、なかなか決まらないのです。
家内は呆れて冷ややかに私を見ていました。
しかし、ある時さりげなく助言をくれた知り合いがいました「これは部品の質ではないのか」と、私にも二言はありませんでした、うんっ!今まで、安い部品で作って来たのだから。
今度は少し奮発してみるかと思いました。
ここから先三年間位私は、ネットワークにいくらお金を使ったか全く覚えていないのです、もう脱け出せなくなっていました。
お断りしておきます。
私はこれを生業にしているから、徹底的に答えを出すためにやりましたが、決して私の様になってはいけません。
でもそのおかげで、ネットワークに使う部品だけは良いものを購入するべきだ、それだけは馬鹿な私にも分かりました。
悲しいかな、やはり値段あたいの音になるのです。
出来る限り良い部品で妥協なくしっかり作る事です、お金がないならはじめからやらない方がいいと思います。
予算を決め目標を定め、お金を貯めてからやる事ですよ。
しかし、大切なのは諦めない精神力と、閃きと、行動力とセンスが必要になります。
これが貴方にあるかないか、それは誰にも分からないのですが。
貴方が自分のシステムは他のよりかなり良くなったと思っても、いくらでもその上が存在します、誤解のなきよう、申し添えておきます。
《続く》