メーカーオリジナルスピーカーボックスの大切さ
私は最近つくづく感じている、メーカー指定のオリジナルボックスを使っている人が少ない。
昔からよく聞くこの話、特にアメリカ製は、オリジナルボックスの作りが雑で良くないので、ボックス屋さんに注文して作ってもらったら、音がつまらなくなった。
まあ作ってもらったボックスの音が気に入ったならそれはそれで大いに結構なお話しだが。
当たり前である、特にJBLやアルテックのボックスは、そのメーカーのユニットを鳴らすべく作られている、その中でも特に異質なのは、アルテックA7と私が使っているJBL4560であろう。
箱をあけて中を見ただけでは分からない長い年月をかけて得たメーカー独自のノウハウがあるのだ、見た目でなく音の為に作っている、私はそう思う。
私は昔4560と普通の四角い150リットルのバスレフボックスを、注文して作ってもらった事がある。
四角いバスレフボックスはかなり低い低音を再生した、その時はウーハーがJBLの2231Aだった、4343や4350に使われていた、カタログではfoが18Hzとなっていた、出力音圧レベルは94dBだ、エッヂはウレタンだった、そのエッヂは、数年で、すぐにボロボロに溶けてしまう。
ドライバーはJBL2420でホーンは2345だった、しかしそのボックスとの組み合わせから鳴った音は酷い音だった、しまりのない正に低音のお化け、かなり低い低音を再生したが、しまりがなくドロドロ、ドライバーとの繋がりが薄く、どんなにネットワークを変更しても、マルチでドライブしても駄目だった、聞いていて面白くないことこのうえなかった。
その後私は、新品でオリジナルJBL4560を購入した、その時のウーハーは2205Aと2220Aを試した、2205Aは低い周波数は再生するがコーン紙が重く音も重かった、2220Aは低い所はあまり感じないが、反応がよく低音が肉厚で一発で気に入った。
もっと良く鳴らそうと、私は4560の板を厚くして作ってもらった、こちらもネットワークを何度変更しても駄目だった、全くつまらない音になってしまった、音が弾まないのだ、それはボックスが鳴かないからだと思う。
そして今、四個目のボックスが今使っているオリジナル4560なのだが、今までで年代は一番古いのだが、音は一番優れていると思う、今のユニットはJBLでウーハーが130AでドライバーはLE-85だ、ホーンはコーラルAH-500だ。
しかし普通の四角い強固に作られたバスレフボックスの、クリアーな低音の魅力は確かに感じるのだが、私はどうしても音が何処か抜けて、薄く感じるのだ、どちらを選ぶかはそれこそセンスになると思うが、私はこのJBL4560の弾んだ分厚い音が鳴らないとどうしても駄目なのだ。
しかし、我が家は4560でずいぶん低い周波数を鳴らす様になってきた。
だから私は、やっぱりオリジナルボックスに軍配をあげたい、これは私が人一倍色んなものを使ってきてそう思っているだけなのかも知れないが、システムの組み合わせや、ネットワークによってもずいぶんと変わるのだろうが、オーディオとは本当に難しいものだとつくづく思う。
でも今のJBL4560を更に鳴らす為には、広くそこその音量を鳴らせる部屋が必要なのは確かだ。
メーカー指定のオリジナルボックスを使わないのは、例えそのユニットがどんなに優秀でも、本当の力を発揮出来ない事になると思う、メーカーはそんなに変な音のボックスを作ってはいない、鳴らせないのは自分であってメーカーのせいではない、色々後付けで補強など施してみても、むしろ素人考えで手を加えておかしくしてしまうだけだ、あまり自分の考えでボックスで音を作ってはいけない。
しかし私は4560の中に貼ってある、黄色いグラスウールは総て外してある、音がクリアーになりスッキリしたからだ。
みなさん貴方の使っているユニットのメーカーにオリジナルボックスがあるならば、必ずそれを使おう。
今のまま止まっていては、何にも進まない、今絶妙にとっているバランスを壊してみてこそその先がある、バランスがとれていると思っているのは多分貴方だけだ、私はそれを何度も経験した。