素線径混合リッツ線完成
このケーブル実験は、総て同じ長さで行っている。
今までの実験は、既に完成していたリッツ線でない0.6ф単線四本を基準に、その優れた音のケーブルの素線を会わせた径を、リッツ線に置き換え、細い素線で断面積を会わせ、表面積を増やし、表皮効果の改善効果を狙い断面積を計算して作ってきた。
そして、どんなに緻密な高域や滑らかな中域や、下までのびる重低音が鳴っても、リッツ線は特に重低音が薄く感じる、綺麗だが音に少し芯が足りないと感じる、どうしても気になり、私はそこに一つだけ自分の考えを取り入れてみたかった。
その考えとは、前回かなりの音質を再生した0.08ф単線240本のリッツ線に、更に0.6фの被膜された単線を一本追加すると言うものである、つまり、勝手に名付けて素線径混合リッツ線。
リッツ線の実験以前に色々試した時は、0.3фの裸線四本に、0.6ф裸単線を一本追加すると、音に芯が出来るのに私は気が付いていた。
しかし今度はリッツ線だ、リッツ線の作りでそれがどう影響するのかやってみたかったのである、しかし今回は0.08ф240本、断面積は1.20576m2に対し0.6ф単線が追加されるので断面積は1.48836m2約1.2倍となった、しかしこの作り方は、今までの単純な表皮効果の改善効果を狙ったのとは違う、これはあくまでも私の経験と感になる。
製作は更に困難を極めた、リッツ線は細かい線の集合体だ、半田がなかなか総て(総てに半田の熱が行き渡らないと、総ての線の被膜が溶けず導通しない線が出てくるかもしれない、よってリッツ線の表皮効果の改善効果が減る事になる)に染み込まず、その結果、長くコテを当てる事になる、しかし中までは見えないので、正直分からない、0.08ф単線の方は被膜が更にしてあるので平気だが、0.6ф単線の方はPEW(ポリエステル)被膜だけなので、更には0.6фと少し太い為、熱がかなり後の方まで伝わり溶けてしまっていた、そこがシールドと導通してしまった、私は三本作ってからやっとそれに気が付いた。
その後そうならないように上手く対処出来たが、かなり難しい。
今回はCDとプリの間に繋いでみた、気になるソフトがあったからだ、写真にあるマンハッタン ジャズ クィンテットのV・S・O・Pである。
かなりの重低音が入っていて、このソフトをTADで、メチャメチャいかす音を鳴らす知り合いがいらっしゃるからだ、今回のリッツ線研究で、かなりの所迄再生出来たが、まだ全くかなわない、それで私なりにケーブルでその音をなんとか少しは再生出来ないものかと、考えた訳だ。
ケーブルだけで、その重低音を鳴らすのは的外れなのは分かってはいるが、やってみたいではないか。
人間体臭がなくなったらおしまいだ、少し臭い事をやってみよう、そう思った、世の中に一人位私の様な馬鹿がいても良いだろう(笑)
《ファーストインプレ》
想像どおり0.6ф単線を一本追加するのは絶対な効果だったが、やっぱりうるさい。
今までの広い帯域だけの0.08ф240本リッツ線の音に、見事太く引き締まった芯のある重低音が、追加サービスされたようだが何かがおかしい、違和感を感じる。
強い芯のある音だが、おしつけがましい音になり解像度が落ちた。
一晩中エージングのCDをずっとリピートさせておき、次の日、V・S・O・Pを再度聞いてみた、昨日はもう少し尖っていた音が今日は少しマイルドになっていたが低音の解像度は今一つだった。
しかし高域は、まるでツィーターの能率が上がったかの様にドライバーと上手く倍音が繋がった感じだが、鳴り方が表面的、ここまで来て遂にコーラルH-105の限界が来たか。
JBL LE-85は、電源がしっかりすればツィーターが要らないほと高域がのびると聞いている、しかも高域の綺麗なリッツ線だどうなるのだろう、新居が楽しみだ、しかし0.6фを一本追加したのは失敗だったかも知れない、鳴り方が大袈裟だ、まだ試聴を続けてみる。