4)素線径混合リッツ線スピーカーケーブル総て初期エージング完了
このリッツ線実験は総て一定の長さで行っている。
リッツ線研究は、発想してから長かった、なかなか本数が決まらず、はじめは作るのさえためらわれ、しかもリッツ線を間違えて理解しており、本当に大変だった。
しかしリッツ線は、実際まだまだ無限大の可能性を秘めており、更に実験は続ける、今回やっと雛形みたいなものが完成したに過ぎない。
実験の結果、素線の径と目標にする断面積がなかなか探し出せない、いついかなるときに聞いても、優れた太さと本数がどこかに必ず存在すると言うところまでは分かったが、まるで広い海のどこかにに落とした小さなビー玉一つを潜って探す様なものだ、多分どの様に決めても絶対的ではなく、結局どこを取るかになると思うのだが、個人的に絶対的なものを作りたい訳だから、必ず見つけようと決めて始めたのだ。
散々やったが、なかなか総てが結果オーライとはなり難い、今のところ躍動感のあまりないシステムに繋げる場合、以前(現行)からのウエスタンスピリッツのケーブルが元気があって有利なのかもしれない。
しかしJBL等の元々躍動感のあるスピーカーユニットをお使いの方は、自信があるならば、リッツ線の方がホーン臭さがなくなり遥かに聞きやすいだろう。
かと言ってリッツ線の音に躍動感が無いわけではない、有り余る程躍動感はあるのだ、後は繋げた時にどうなるかなのだ。
要は何を足して何を捨てるかであるが、なかなか難しいところだ、ウエスタンスピリッツのシステムで聞く限りに於て、リッツ線は素晴らしい、しかし今までの裸単線四本を捩りシールドしたラインケーブルの音もどうしても捨てがたい、その両者の音はお互いに一歩も譲らないものがあるのだ。
分かった事は、リッツ線が総てではない、アクセントとしてどこか一ヶ所に使うのもありかも知れない、しかし繋げていき数を増やす毎にリッツ線の音に支配され、その方向に変化して行くので、その綺麗な音にはまってしまうのも事実である、それはリッツ線でないケーブルの場合も、また同じことが言えよう。
それとオーディオの音の変化を聞き分ける時は、心理的な要素もあり、それが多大な影響を及ぼす事も知っておかなければならない。
貴方の装置から鳴っている音は貴方の鏡だ、貴方そのものである。
そして昨夜保谷にある鯨屋さんへ友人と飲みにいった、店は趣味に溢れており、オーディオや楽器がたくさん置いてある、たまにライヴをやるのとミュージシャンの溜まり場でもある、友人にバスドラを鳴らしてもらった、軽く踏むと確かに低い低音が鳴るが、CDに入ってる様なダルダルした音ではなく我が家の音にそっくりだった、しかしジルジャンのシンバルの音である、鮫肌の様にザラザラした音で金属的な破壊的な音がした、帯域がとても広い、あんな音が録音出来る筈もない、出来たとしてあの音がオーディオから鳴ってもあまり気持ちの良い音に感じるとは思えない、比べる事自体が既に馬鹿げている。
極論オーディオと生は全く違う音だ。
思った、みんなあのシンバルの音を求めるあまり帯域やバランスがずれて、へんてこな鳴り方になるのだ、オーディオは入ってる通りに鳴らさなければならない、入ってない音を無理矢理鳴らそうとするところに、間違いが生じるのだ。
気付いてほしい、オーディオは振動板が前後にしか動かないのだ、生の楽器の様にオーディオでは360゜音を鳴らす事は絶対に不可能である。
所詮その制限の中で、それらしく鳴らすしかないのである。