今日も、お客様が来られた。
今日の方は、少し歳上の私の友人である。私よりオーディオ歴は七年程古い。私よりも更に、本物をリアルタイムで体験した方である。
オーディオを感情的または情緒的に聞かれるので、やはりその耳は経験を踏んだだけあり、更にかなり厳しい。
やはり普段は、クラシック党だ。そして、やはり小音量派だ。私はあまり大きな音量で試聴する方の耳を信じない傾向にあるようだ。しかし今回もやはりジャズをたくさん持参された。なんで?
たくさん聞いた。その結果である。
ブログで書くことの難しさを淡々と語っていた。先ず文では、もうこの音を表現出来ない。このとおり書いたら嘘だと言われるだろう。しかし、その嘘の様な音をとうとう本当に鳴らしてしまったんだね、と言っていた。
芯を伴い、点音源から広がるこの鳴り方は、気持ちがいい。しかしこの奥行きはちょっとやそっとでは鳴らないよね。
音が引き締まっている、音楽が鳴る前、針をおいた瞬間から、ただならね雰囲気があった、と、言っていただいた。気持ち良いよね。私も総て同感である。
試聴は、こんな感じで終わった。
やはり、自分だけがそう感じていたのでは、我々プロは駄目なのだ。普段全く関わってない第三者に、感じたままを伝えてもらわないと、自分だけが良いと思った独特な鳴り方になっていて。それでは正直、お客様をお呼びする事は到底出来ない。
指摘され、馬鹿にされるだけである。自分だけが良いと思っている。これは自分のシステムだから、人にとやかく言われる筋合いはない。そう思われるのならばプロの道へは入れない。
今回の二回の試聴は間違いなく、このシステムが、あるレベルに達した。そう結論付けても構わないと思う。
さて、やはり出た結論は。何を使っているかではない。まともなシステムからはまともな音が出る。
より優れたものを使うのは確かに必要だが、それが総てではない。オーディオは料理の仕方だ、基本がしっかりしていないと、最後まで鳴らし切る事は不可能である。
それを分かった上で努力をして、細かい微調整を追い込めるセンスのある人は、いつかとんでもない音を鳴らすだろう。私はやっとその入り口に入れただけに過ぎない。
まだまだ凄い音はいくらでも存在するだろう。私の頭の中にはそれがある。
しかし、このJBL4560BKで、ここまで鳴ったのを私は知らない。
私は、まだまだ高嶺に昇りたい。