CROWNIC-150A+DC-300A
使って三年程になるが。特にパワーアンプのDC-300Aは、世界中のレコーディングスタジオのモニタースピーカーを鳴らす標準的なアンプであった事を私は納得した。
そして、JBLの4343や4350製造時の音質テストアンプ、又は上手く鳴らす為の推奨アンプとしても有名だ。今でも使っている大手スタジオは多い。
CROWNを使う以前は、GAS(グレートアメリカンサウンド)のテァドラとアンプジラ(どちらも最初期のもの)だった。
CROWNと比べて、サウンドは確かに、ストイックで繊細なところもあったが、それが時に苦しく感じた事もあった。先ずは、アンプジラの冷却ファンの音だ。
アメリカの様に、部屋が広ければ目立たないのだろうが、ここは日本だ。深夜に小さな音で聞いてると、唸っているのが聞こえ、音楽鑑賞の妨げになる。
次に、音に(特に高域)色付けを少しだけ感じるのだ。
しかし、ジャンル的には、とてもCROWNと似たような雰囲気があった。
しかしCROWNは静かだ。心配していたDC漏れは我が家では全くない。いつも音が安定している。目覚めは電源を入れて大体一時間位。
何より音がおおらかで、フラットに感じる。さすがに現代のアンプみたいな膨大な再生周波数はない様に感じるが。ここはホーンスピーカーなので、なんの不足も感じない。
聞いていると、弾んでいててワクワクするのだ。しかしGASの様な、若く明るい鳴り方ではなく、腰の据わった重厚な音質と力を兼ね備えている。
JBLの38㎝ウーハー130Aが、軽々と鳴ってしまうのである。途中BGW750Cも購入してみたが、個人的にナローレンジで、クリアーではなく、好きではなかった。
やはりCROWNがクリアーなサウンドで、私は好きだ。この下にD-150Aもある、こちらもなかなかである。
しかしCROWNのアンプはプリもパワーも、奥行きがとても小さい。設置スペースは少なくてすむ。しかしプリは、後ろのケーブル接続の時、天板が邪魔で、配線がややしづらい。パワーも端子が各々近く、フィンの間で狭く、指が入らず配線しやすいとは言えない。しかし音は素晴らしい。
購入するならば、オリジナル部品を変えられていない無改造のものが良い。私は一度、モデファイを購入したが、低域に力がなく、すぐに壊れて、お話にならなかった。何より音が悪い。
修理を依頼する方に送って、笑われてしまった。これじゃもう既にCROWNじゃないよ。修理するのも嫌になる、かわいそうだと。
CROWNはオリジナルで程度の良い、ワンオーナーもので。大切に使われて来たものに限る。
しかし、内部の電源ケーブル周りは一旦外し、半田をしなおすなり、新しく繋ぎ変える等をした方が良い。どれも接点が駄目になり始めている。でもあまり太い電源ケーブルにしないように。音が悪くなるから。ものには程度がある。色々試したが、16GA位の単線が良いと思う。
CROWNのアンプIC-150A&DC-300Aの音には、現代のオーディオが、過去に置き忘れてきた何かがある。とても素晴らしい!