母の事、黄色いカーネーション
このブログは一ヶ月前の内容で、公開しようと思っていた矢先にノイズカットトランスが届いたり、実験が始まってしまい、今日になってしまった。そこに日曜日の母の日が被ったのである。
そして、最近オーディオばかりやっていて少し考えが煮詰まり過ぎたようだ。疲れた。
母は、引っ越してからずっと毎日、一日中愚痴っていた、洗濯物を干すところがない、母さんはそれがストレスなんだと。
前の家は、亡くなった弟の部屋に少し広いベランダがあった。母はそこに洗濯物を干すのが日課のようだった。
我々若夫婦が今回建てた新居は、ベランダと言う感じではなく、奥行きが狭く幅だけが広いエアコンの室外機置き場みたいな感じで、洗濯物を干すのが少し難しい。
それと、カッコ悪いので、ベランダに洗濯物を干すのを止めてほしいと、私が言ってしまったのだ。
それが母にはずっとストレスになっていたのである。我々家族は毎週土曜日に、四人で飲み会をする事にしている。
その時、毎回の様に母はその事を口にしては八つ当たりをしていた。しかし母の意見は誰にも聞いてもらえず。父や私や家内から反感をかっていた。私は思っていたストレスはもっと他にもある筈だと。
前回の土曜日に遂に父が母に対し初めて切れた。いい加減にせいっ!母も切れて寝てしまった。
私が母に切れて突っかかり、口論していたからである。かわいそうな事をした、ずっと反省していた。
月曜日、下に降りると母は私に一言、洗濯の事はもう分かったから、ちゃんとお母さんも順応するからね。と言ってくれたのだ。
嬉しかったが、こちらが先に折れるべきであった。おふくろ…ごめんね、ちゃんと分かっているからさ。
母は若いときの様に動けない、しかし今年八十歳になった。当たり前である。自分がみんなのお荷物になっていると勝手に自分で思っているようだ。
そんな事は全くないよ、我々も父も好き勝手に生活している、おふくろも自由にやりたいように生活しなよ。
自分で自分を責めるのはもうやめなよ。もう二階のベランダに洗濯物を干しても構わないからさ。
しかし歳をとり、毎日二階まで洗濯物を運ぶのは大変だと思うな?
でも、おふくろ…分かってくれてありがとう。俺が悪かった。ずっと家族四人で楽しく暮らそうよ。それから母は、ドンドン元気になってきた。
そして母の日が迫ってきた。土曜日、家内の提案で母にカーネーションを買って日曜日に手渡そうと決めた。
日曜日、朝起きると両親は出掛けた後だった。午後三時頃両親は帰ってきた。階下にいき母にカーネーションを手渡した。「おふくろ、いつもありがとう」
父は、少し離れたソファーから花を見て、ニャーッとしていた、息子よ…なかなかやるじゃん?みたいな顔だった。
母は涙目になって驚き、喜んでいた。母は、母の日を忘れていた。カーネーションを買ってきて本当に良かった。
因みに、写真にあるピンクのワンちゃんが妙にかわいいと思って買ってきた。
そのワンちゃんが赤いカーネーションではあまり映えなくて黄色のカーネーションにしたのである。
母は八十歳になった。今年いっぱいは二度の引っ越しで、疲れて上手く体が動かないが、来年春からは元気になる。勝手にそう思っている。
母の日のカーネーションは、二世帯を明るくした。とても必要な事だね。